中島美嘉 | 今、歌うのが最高に楽しい

JAN 11, 2022

中島 美嘉さん 歌手〈インタビュー〉 中島美嘉 | 今、歌うのが最高に楽しい

JAN 11, 2022

中島 美嘉さん 歌手〈インタビュー〉 中島美嘉 | 今、歌うのが最高に楽しい 2021年11月、デビュー20周年を迎えられた中島美嘉(なかしま・みか)さん。10月には両A面シングル「SYMPHONIA / 知りたいこと、知りたくないこと」、12月にはアコースティックカバーアルバム「MESSAGE ~Piano & Voice~」をリリースし、22年2月からは全5公演のアコースティック・ライブツアー「Mika Nakashima Premium Live Tour 2022」が予定されています。20年という節目に、最近の心境の変化、歌や音楽に対する想い、創造性の源泉などをうかがいました。

デビュー20周年を迎えて

――デビュー20周年おめでとうございます。20年間を振り返ってみて今の心境はいかがですか。


ありがとうございます。これまでもずっと同じようなことを言ってきたかもしれないですけど、あっという間でもあるし、長かったような気もするし。なんかすごく不思議ですよ。


中島美嘉さん

――中島さんはお友だちがレコード会社に送ったデモテープがきっかけでドラマ「傷だらけのラブソング」のヒロインとして抜擢(ばってき)され、同番組の主題歌「STARS」で歌手デビューを果たしました。デビュー当時の心境について教えてください。


あまり覚えてないですね。歌手や女優を目指していた子たちからすればすごく贅沢なデビューだったと思います。歌うことは好きじゃないわけではなかったですけど、急にプロになっちゃったので、楽しむというよりは自分の環境についていくのに必死でした。


――これまでで一番の壁、苦労されたことは何でしょうか。


正直、壁はずっとあったような気がします。ずっと上しか見ちゃいけないような状態でこの世界で育ってきたので、逃げ場はなかったです。でもそれは自分だけではなくて、絶対みんなあることだと思います。「やるか / やらないか」しかなかったので、壁があってもただただ突っ走ってきました。


――ずっと必死に突っ走ってきて、いつ頃から歌うことが好きになったのですか。


本気で心から好きだと思えたのは、ここ1年くらいなんですよ。デビュー20周年に入る頃くらいから最高に楽しいと思えるようになりました。それまでは楽しくなるようにどうやって歌えばいいのか、どうすれば自分らしく歌えるのかってずっと模索をしていました。


中島美嘉さん



――それは何かきっかけがあったのでしょうか。コロナ禍でおうち時間が増えたことも関係しているのですか。


そうですね。ちょうどデビュー20周年に入るぞっていうときにコロナ禍になったので、私はマイナスな気持ちになるというより「いい準備期間をもらえたのかもしれない」って考えました。自分の体調を整える時間も、歌について考える時間もいっぱいありましたから。

それまでは「大人なんだから休んじゃいけない」という気持ちがどこかにあって。家にいてぐうたらしていたら怒られるじゃないですか。でもずっと家にいなきゃいけない期間が長かったですから、仕方がないから家でちゃんと休む。それで休んでいたら、自然と体調も精神状態も良くなったのかなと思います。


――コロナ禍を通して、何か心境の変化が生まれたのでしょうか。


いろいろ抱えていた問題がなくなって、思うように歌えるようになったんです。こんなに歌いやすいものなんだと思ったとき、いくらでも歌ってやる! と思いました。あと、自分の曲をやたら聴くようになりましたね。今までは自分の曲をあまり聴いてこなかったんです。曲自体は好きだけど、どうしても「ああ、ここをもっとこうすれば良かった」ってあら探しをしちゃうので。今も大満足ではないですけど、この声が出せるようになったんだなとか、そういううれしさでずっと聴いていました。




「THE FIRST TAKE」で魅せた圧巻の表現力


――先日、「THE FIRST TAKE」*で披露された「雪の華」を聴かせていただきました。表現力が素晴らしく、とても感動して涙が出てしまいました。


ありがとうございます。みんながそう言ってくれて、びっくりしています。


雪の華 / THE FIRST TAKE



* THE FIRST TAKE:一発撮りのパフォーマンスを鮮明に切り取るYouTubeチャンネル。「一発撮りで、音楽と向き合う」をコンセプトに、数々のミュージシャンが一発撮りで収録した映像を公開している。
https://www.youtube.com/channel/UC9zY_E8mcAo_Oq772LEZq8Q



――当日はどんな思いで歌われていましたか。

緊張感はものすごくありましたけど、気負いはなかったです。今はもう楽しく歌えるから、とにかくいつも通り歌えばいいと思って歌っていましたね。


――みんな気になっていることだと思うのですが、「THE FIRST TAKE」って、本当に一発勝負なのですか。


そうなんですよ! 本当に一発撮りなんです。歌う前の柔軟体操や発声練習とかは気が済むまでやっていていいのですが、歌い始めたら間違えようが音を止めようがそのまま出しますって言われていました。すごく怖かったですけど、楽しかったです。


僕が死のうと思ったのは / THE FIRST TAKE




クラシックを聴くと疲れが抜けていく


――2021年10月27日に、両A面シングル「SYMPHONIA / 知りたいこと、知りたくないこと」をリリースされました。「SYMPHONIA」の作詞・作曲はrionos(リオノス)さんですね。「SYMPHONIA」を初めて聴いたときの印象はいかがでしたか。

今まで私の曲ではこんなにきらきらとした曲はなかったので、どうやって歌えばいいんだろうって悩んでいました。難しい歌なんですけど、出だしからビクッと引きつけられますよね。「透明な夢を」から始まるその歌い出しのところが好きです。



「SYMPHONIA」 Music Video



――この曲には、ベートーべンの交響曲第5番「運命」のフレーズがコラージュされています。中島さんの歌声はクラシックとの相性が良いと感じるのですが、クラシックに対してはどんな思いを抱いていらっしゃいますか。

クラシック大好きなんです。クラシックって言葉がなくても気持ちの表現みたいなものがすごく伝わってきて、疲れたときに聴くと疲れが抜けていくんですよ。言葉が入っている曲だと、歌詞に集中してしまって他のことができなくなるのですけど、クラシックは歌詞がないので気楽に聴けます。


――どんなクラシックを聴くのですか。

フジコ・ヘミングさんのCDをずっと聴いていたりとかします。曲はダークなものの方が好きですね。特にショパンの葬送行進曲(ピアノソナタ 第2番「葬送」第3楽章)とベートーべンの月光(ピアノソナタ 第14番「月光」)が大好きです。


――「知りたいこと、知りたくないこと」は、作詞が秋元康さんで、作曲がデレク・ターナーさん。切なくも美しいメロディーで、「SYMPHONIA」とはまた印象がガラリと変わりますね。

曲の全てが大好きなんですよ。「SYMPHONIA」とはまた違う好きさというか。「知りたいこと、知りたくないこと」は聴いた瞬間、なぜか"絶対大丈夫"という確信がありました。覚えたり歌ったりする苦労よりも、楽しさの方が大きいかもしれません。伝え方がいっぱいありすぎて、何度歌っても飽きることがないです。



「知りたいこと、知りたくないこと」 Music Video




「SYMPHONIA / 知りたいこと、知りたくないこと」

iTunes Store




自由に歌えるのがアコースティックの楽しさ


――2021年12月22日には、3枚目のアコースティックカバーアルバム「MESSAGE ~Piano & Voice~」がリリースされました。レミオロメンの「粉雪」、欅坂46の「不協和音」、忌野清志郎さんの「JUMP」など多彩なラインナップですが、これらの曲はどういった経緯で選曲されたのですか。

全部私が好きな曲です。8曲全て、私が選曲しました。

――中島さんご自身の選曲なのですね! ピアノ、ギター、ベースのシンプルなサウンドで歌うというアイデアはどこから生まれたのでしょうか。

2016年からピアノ、ギター、ベースと歌だけで行うアコースティック・ライブツアーをやっていて、それをCDとして残そうということになったのが始まりです。


「MESSAGE ~Piano & Voice~」



iTunes Store



――アコースティックで歌っているときはどんな気分ですか。


楽しいです。若いときから歌に対して不安や自信のなさがあったんですけど、ピアノ1本だとすごく自信が出るんです。


――すごいですね。それはなぜなのでしょう。シンプルなサウンドだとごまかしが効かないから、逆に自信なくなりそうですよね。


なぜなのか、自分でも分からないです。若いときからみんなに不思議だって言われていたのですが、20代の時、ライブでアコースティックのコーナーを始めたら、すごく楽しそうに歌っていたらしくて。昔から決められたように歌うのが苦手だったんですよね。アコースティックだと本当に自由に歌えるので、楽しいんですよ。


――このアルバムは全曲一発録りとのことですが、どのように収録するのですか。


楽器の奏者さんたちと「せーの」で合わせて一発で録る。普通のレコーディングみたいに1行ずつ録り直すことは絶対にしないと決めているので、もし歌詞を1カ所間違えたら止めて、始めから録り直します。もし出だしが良かったとしてもそこだけ部分的に使うことはありません。レコーディング自体も楽器ごとに録るのではなく、みんなで集まって、どう演奏しようか話し合って、よしやるぞ! って集中力を高めてやります。修正をしない一発録りなので、呼吸とかいろんなところがきれいにはなっていません。でもそのリアルさが伝わればいいなと思っています。


――レコーディングの雰囲気はいかがでしたか。


めちゃくちゃ緊張しましたけど、結局ライブと一緒の感覚でしたね。私は二度と同じように歌えないので、普段のライブやレコーディングも実はリハーサルがない方が好きなんです。ピアニストの方はずっと一緒にやってきたので、私がこういう方法が好きなこと知ってますけど、ギタリストやチェリストは、今時全員で一発録りでレコーディングすることって少ないので、びっくりしていました。でもみんな楽しそうでしたよ。


中島美嘉さん



――2022年2月11日からは、全5公演のアコースティック・ライブツアー「Mika Nakashima Premium Live Tour 2022」の開催が予定されています。意気込みやファンの方々へのメッセージをお聞かせください。


私が一番好きなスタイルでできるライブなので、楽しみです! 二度と同じ歌い方ができないから、自分でも毎回どう出るか楽しみでステージに上がります。全5公演、歌う曲は同じであっても、毎回違うように聴こえると思いますから、何回来ていただいても楽しんでいただけると思います。


「Mika Nakashima Premium Live Tour 2022」

https://www.mikanakashima.com/information/single.html?id=534824




「やったことがないことは全て可能性」


――AktioNoteは「創造と革新」がテーマですが、「創造と革新」について何か思うことはありますでしょうか。


やったことないことは全てが可能性だと思っています。これまでは「やったことのないこと=私には関係ない世界のこと」と思っていたんです。それは生き方の違う人たちがやることであって、私にできるわけがないと。でも実際にやってみるとできることって、実はたくさんありますよね。私もそうでしたが、やる前に諦めているわけです。でも年齢関係なく、まだやっていない未知のことは可能性でしかなくて、とにかく一度やってみたらどうかなって最近は思います。

――何か実際にトライしてみたことはあるのですか。


あります。例えばヨガとか腸活、体の健康づくりですね。実際にやってみたら楽しくなりました。私、もともと体がすごく強くて、あまり健康面を意識してきませんでしたし、容姿がきれいな方々を見ても、"そうやって生まれた人だから"、 "そっちの部類の人だから私には関係ない"と思っていたんです。でもやってみるのも悪くないかなと思ってやってみたら、やっぱり体の調子は整いますね。


――音楽以外のことで、やってみたいことはありますか。


歌や女優以外の仕事って、私にとっては全部やったことがない仕事なので、どれもやってみたいです。特に洋服店の店員さんとかやってみたいですね。おしゃれが好きというより、物として洋服が好きなんですよ。なぜこういう作りになっているんだろうとか思いながら、服を見ているのが好きです。

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――これからもやったことのないことに挑戦していきたいとお考えですか。


やりたくなったらやると思います。難しかったとしても、いったんやってみようって思いますね。


――ありがとうございました。今後のさらなるご活躍を期待しています!

  • プロフィール画像 中島 美嘉さん 歌手〈インタビュー〉

    【PROFILE】

    中島美嘉(なかしま・みか)
    2001 年フジテレビドラマ「傷だらけのラブソング」で主演デビュー。その美しく個性的なビジュアルと歌声で一躍人気を博す。以降「雪の華」、「GLAMOROUS SKY」など数多くの大ヒット曲を発表し、これまでに 9 度の NHK 紅白歌合戦出場や数々の賞を受賞。唯一無二の存在感と影響力で国内外の映画・ドラマ・ファッションなど多岐にわたり活躍。近年は野外フェスへの出演やアコースティック編成、ロックバンドなど様々なジャンルのライブ活動を精力的に展開、圧巻のパフォーマンスと表現力で注目を集める。また、アジア各国での単独公演を成功に収めるなど海外にも活躍の場を広げている。

    中島美嘉オフィシャルサイト
    http://www.mikanakashima.com/

    中島美嘉オフィシャル web ファンクラブ「Lotus」
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