【連載】創造する人に役立つ文房具
2024.11.12
菅 未里
一度使えば後戻りできない。進化したホッチキスの抜群の使い心地
事務用品として長らくオフィスにあるホッチキスですが、ホッチキスを見直したことはありますか。ただ紙をとじるだけの文房具と侮ってはいけません。進化したホッチキスは、その抜群の使い心地で日々積み重なっていく事務作業をサポートし、クリエイティブの時間を広げてくれます。
とじ衝撃・動作を大幅に軽減したホッチキス
ホッチキスといえばブルーのシンプルな製品を思い浮かべませんか。MAX(マックス)という日本の会社の製品です。MAXは創業1942(昭和17)年、現在もホッチキスの国内トップシェアを誇るメーカーです。
事務用のハンディタイプのホッチキスは、その頑丈さゆえにあまり壊れることもなく、何十年と同じものを使っているという方も少なくないでしょう。しかし、ホッチキスも進化しているんです。
2024年9月にMAXより発売された新作の「Vaimo11Flarme(バイモイレブン フラーメ)」は、2枚からおよそ40枚までの書類を軽くとじることができるホッチキスVaimo11シリーズの最新モデル。Vaimo11は、一般的なハンディタイプのホッチキスの"倍も"とじられるシリーズです。
とじた針を2段階で曲げる「先曲げフラットクリンチ機構」を搭載することで、とじ衝撃約25%減*1、とじ動作音約30%減*2、とじ荷重約10%減を実現したホッチキスです。
*1 従来機「Vaimo11シリーズHD-11FL」と比較
*2 従来機「Vaimo11シリーズHD-11FL」音圧パスカルとの比較
とはいっても、実際に使ってみなければわかりませんから読者の皆様にはその違いをご覧いただきましょう。
フラットなとじ方で書類が崩れにくい
↑左が「Vaimo11Flarme」、右がMAXの一般的なホッチキス「HD10-NX」
紙をとじた際の針の裏側を見てみると、「Vaimo11Flarme」のほうがフラットになっているのがわかります。
↑左が「Vaimo11Flarme」、右が「HD10-NX」
小さな差に思えますが、紙を重ねるとその差は明白です。
従来のホッチキスはとじた針に高さが出るため紙を重ねたときに針の部分が嵩張ります。時には重ねた資料が崩れてしまうこともありますが、「Vaimo11Flarme」であればその心配もいりませんね。
↑上が「Vaimo11Flarme」の針(11号針)、下が最も一般的なホッチキスの針(10号針)
注意点は一般的に流通しているホッチキスの針(10号針)とはサイズが異なるということ。
Vaimo11シリーズの針はやや大きいサイズになっています。
「針が違うのは面倒だな」と思った方もいますよね。実は私もそうでした。しかし、軽い使い心地にはまってしまえばそんな面倒くささも吹き飛んでいきます。
一般的な10号針と「Vaimo11Flarme」の11号針の見分けがつかなくてもご安心ください。
「Vaimo11Flarme」の裏には針のサイズを確認するための刻印があり、ここに手元にある針を合わせます。ぴったり合えば「Vaimo11Flarme」で使える11号針だとすぐに判断できます。
ボディのデザインも使いやすく変化
さらに、従来品と違うのはさらっとしたマットな質感です。手の皮脂やハンドクリームなどの跡が目立ちにくいボディは、気が散らないのでありがたいですね。
背の部分の膨らみは手にフィットする形状になっていてさらに扱いやすくなっています。
Vaimo11シリーズではおなじみですが、芯が何本程度残っているか目安にできるメモリもついていて、「針を補充しなくて大丈夫かな?」といちいち心配しなくていいのも日々の事務作業では助かりますね。
↑左が「Vaimo11Flarme」、右が「HD10-NX」
さらに、ホッチキスについているリムーバーにも違いがあります。
リムーバーとは、一度紙をとじた針を取り除くための突起のようなものです。
「Vaimo11Flarme」にはリムーバーの上に針押えがあるため、針を取り除いた際に勢い余って針が飛んでいくことがありません。よく考えられていますよね。
日々使うサポートアイテムこそ見直しを
ボールペンこそ買い替えるけれどホッチキスは見直さない方が多いでしょう。しかし、資料のホッチキス留めは意外と手が疲れます。Vaimo11シリーズのユーザーの中には会社支給のホッチキスがあるにもかかわらず、作業負担を減らすために自腹でマイホッチキスとして購入する方も少なくないのだとか。
日々の負担の軽減はトータルの仕事のクオリティにつながります。新作を手元に置いてクリエイティブの質を高めましょう。
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※記事の情報は2024年11月12日時点のものです。
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【PROFILE】
菅未里(かん・みさと)
文具ソムリエール。
文房具販売・仕入れ担当を経て、文房具の専門家として独立。
国内外で商品や売り場の企画・監修、各種メディア出演、メーカーのコンサルティング、執筆などを行っている。日経MJなど連載多数。
著書に『私の好きな 文房具の秘密』(エイ出版社)、『仕事を効率化する ビジネス文具』(ポプラ社)、『毎日が楽しくなる きらめき文房具』(KADOKAWA)、『文具に恋して。』(洋泉社)がある。
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