一人ひとりが自分で考え判断すること。それが創造の原点。

APR 16, 2019

小沼直人 一人ひとりが自分で考え判断すること。それが創造の原点。

APR 16, 2019

小沼直人 一人ひとりが自分で考え判断すること。それが創造の原点。 創造の源泉はやはり「人」に他なりません。アクティオの要である小沼直人社長に、その人となり、そして創造をもたらす「人」のありかたについて、お話をききました。

現場を経験するなかで培った「自分で考える力」


――前回はご趣味としての鉄道についてうかがいましたが、鉄道ファンとしての興味を、会社経営に生かされているようなことはありますか。

前回話しましたが、やはり日本の鉄道のダイヤグラムの緻密さ、その徹底ぶりは、私たちにとって目標ともいえるものです。ダイヤ改正した初日でさえ、ほとんどミスがないでしょう? 鉄道会社の社員の皆さんが、一丸となって業務を遂行しているからできるのだと思います。アクティオの業務も、建機を必要とされているお客さまに、いかに遅滞なく建機をご用意できるかが常に求められるので、あのシステムは非常に参考にすべきだと思っています。


それから、これも前回触れましたが、新幹線などの清掃にも学ぶべき点があります。最小限の清掃担当者が、わずか3分から5分の間に完璧に車内を掃除してしまう、世界でも注目されるシステムです。スタッフの習熟訓練に加えて、あの緻密なマニュアルを考案されたこともすごいと思います。弊社も機器のメンテナンスは非常に重要な業務ですので、正確性と効率性を考慮して知恵を出し合い、常にマニュアルを更新しています。ですからいつも東京駅のホームで、新幹線のドアが開く前に、あの皆さんの素晴らしい動きにくぎ付けになってしまうのです。

民営化されたJRさんが、各社それぞれ個性を打ち出していることにも注目しています。鉄道が好きな人でなければあまり気にされないかもしれませんが、同じ新幹線でも東日本、東海、西日本と各社、サービスがかなり違います。たとえばビジネス利用の多い東海道新幹線に比べて、東北や上越新幹線は観光や帰省の利用が多い。そのため東日本の新幹線は観光客が楽しく乗れるように、トイレや洗面所には石鹸が用意されて乾燥機もあるし、グリーン車でない車両でも座席に枕が付いていたりと工夫されています。一方で、東海道新幹線はビジネス客がパソコンなどを利用できるように電源が充実しています。そうした、ユーザー層に合わせた仕掛けをしっかり実施されていることも、参考にしたいと思っています。



――やはり単なる鉄道ファンというだけはなく、経営者としての目を持って鉄道に乗られているわけですね。

いや、常に気を張りつめて観察しているわけではありませんよ(笑)。でも鉄道に限らず、いろいろな企業の優れたところを見ると、気づけば「ウチもこういう具合にできないだろうか」と考えています。その原点は新入社員のころにあると思います。現場に配属されて、先輩たちに、自分で判断していつも何か新しい局面を切り拓かなければならないと厳しく指導されました。

新人のとき、私は新宿営業所に配属されたのですが、「工事現場で水が噴いて止まらないから何とかしてくれ」という電話をいただいて、ポンプをクルマに積んで、現場に駆けつけることがたびたびありました。ウチの会社のポンプで水を上げて、最後はコンクリートでヒビ割れを塞ぐんですが、工事が終わるまで見学していて現場の皆さんと仲良くなりました。営業所では、このように単に機器を使っていただくだけでなく、現場をつぶさに見る機会が数多くあって、このおかげで、お客さまが求めているのは何なのかを考え、理解できるようになったと思います。

アクティオは、どこかに前例があることをやってきたわけではなく、建機レンタルという事業を自分たちで創造してきた会社です。ですから一人ひとりの社員が「これをやれ」と指示されたことだけではなく、あらゆる場面で「もっと良い方法はないか」と考える習慣がついたのだと思います。自分で考える、その先に「創造と革新」があります。いまの若手の社員にも、そうした発想の訓練の場を与えるのが、会社の役割だと思っています。


目標毎日1万歩。いまも続ける早朝の電車通勤




目標毎日1万歩。いまも続ける早朝の電車通勤

――鉄道以外に、たとえばスポーツなども楽しんでいますか。

スポーツはお付き合いのゴルフをたしなむ程度ですが、健康法ということでは、自宅のそばのスポーツジムに通っています。自宅の近くに温泉が併設されたジムがあって、はじめは温泉目当てに会員になりました。近所にそういうところがあれば、遠くの温泉地まで行かなくてもリラックスできるくらいに軽く考えていたんです。しかし行き始めてから計算してみたら、月に15回行けば会費の元がとれることがわかった。つまり2日に1回です。よし、それなら運動しようと決めて(笑)、仕事が終わって帰宅したあとに通っています。まず温泉に入って、身体が温まると汗が出ますから、そのあとジムで軽く運動するんです。ジムに行くとよく眠れて、次の日にスッキリとした頭で仕事を始めることができます。

――温泉とジムで仕事への英気を養っているわけですね。社員に運動や健康法を勧めたりすることもあるのですか。

運動は個人の問題ですから社員に強制はできません(笑)。それでもやはり健康な身体は創造力の源泉だと思いますから、身体には気を配ってほしいと常々思っています。

もうひとつ、健康法でいえば、歩く、ということがあります。デスクワークだと、どうしても運動不足になります。私は、毎日1万歩は歩くようにしているんです。1万歩は大変なようでいて、意外に達成できます。電車で通勤して昼間社内でも歩くと、それだけで自然に7千歩くらいになります。残りは3千歩です。これを意識して歩くようにしています。朝は東京駅で降りるんですが、帰宅時は有楽町まで歩くとか、あるいは乗り換えのときに遠いルートを選んだりするのです。

人には「社長なんだから電車で帰っちゃダメですよ」って言われたりしますが(笑)、誰かと一緒のときにタクシーを使うだけです。一人では乗りません。電車が好きだからということもありますけれど、クルマに乗ったら歩数を稼げないからです。健康のことを考えて、なるべく歩きたい。まだ50代ですからね。


――毎日の通勤はラッシュの時間帯に重なるのではないですか?

6時40分の電車に乗るのでまだ通勤ラッシュではありません。自宅を早い時刻に出るようになったのは、東日本大震災の教訓です。地震の直後、東京都内でも電車内に閉じこめられた人が多くいました。それを見て、電車には極力、混雑する前の時間帯に乗ることを心がけようと思ったんです。大震災以前は8時ぐらいに出社していましたが、いまは普通に来ても7時半、早ければ7時には出勤します。ビルの入り口がまだ開いてないので裏口から入ります。


――ご家族について少しお教えください。お子さんたちにはどんな教育をされていますか。

いつも「時間の節度を持て」と厳しく言っています。現代の子はスマホやゲームなど、やり始めたら止まりません。子供時代にそういう気持ちがあるのは自分も理解しています。とはいえ昔のゲームセンターだったら100円かかるからあるところで止められたけれど、いまは止められません。放っておけば永遠にやりかねません。ゲームで遊ぶのが悪いとは言いませんが、時間の節度を持って自分で10分なら10分と決めて制限しなさいと話しています。ただし、それも強制はしません。人間は頭ごなしに言われると反発したくなるか、自分で考えなくなる。だから「意思決定は自分で」ということも徹底しています。これはいまの会社の方針とも同じです。自分で考えることが、長い目で見れば仕事に役立つ。一人ひとりが自分で考えなければ、創造も革新も生まれないのです。

――経営者として、これからどのように会社を育てたいと思いますか。

建機のレンタルは近年ますますその重要性を増していますが、この業界はいまでも一般社会での認知度が高いとはいえません。一方で、自分ではモノを所有しない「シェア」という考え方が、自動車業界などを中心にますます進んでいくと見られています。そうした潮流をとらえて、建機レンタル業界の社会的な認知度をアップさせるような企業活動をしていきたいと考えています。そのためにはクリアしなければならない課題がたくさんありますが、常に自分で考えて、新しいことにチャレンジしてきた私たちならば、必ずできると思っています。

――大切なのは「自分で考えること」。それは家庭でも会社でも同じ。小沼社長の一貫した姿勢と、気さくな人柄が伝わってくるインタビューでした。小沼社長、お時間をいただきありがとうございました。

  • プロフィール画像 小沼直人

    【PROFILE】

    小沼直人(こぬま・なおひと)
     
    株式会社アクティオ代表取締役社長COO。1966年東京都生まれ。1992年株式会社アクティオ入社。2004年取締役副社長、2007年業務本部長、2008年代表取締役副社長、2013年株式会社アクティオホールディングス取締役副社長。2017年より現職。

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