乱れがちな春の自律神経を整える「薬膳粥」レシピ

【連載】季節の不調を整える“日常”薬膳

国際中医薬膳師・フードコーディネーター:いのうえ陽子

乱れがちな春の自律神経を整える「薬膳粥」レシピ

なじみのある食材で季節の体調不良を整える「日常薬膳」。連載2回目は「春の不調」をテーマに、国際中医薬膳師のいのうえ陽子(いのうえ・ようこ)さんに教えていただいた薬膳を取り入れたお粥のレシピをご紹介します。春らしい食材を使った薬膳粥で心も体も軽やかに過ごしませんか?

写真:キッチンミノル

目次



春の体に必要なものとは?

連載1回目では「冬の疲労回復を助ける薬膳レシピ」を紹介しました。2回目は「乱れがちな春の自律神経を整える薬膳粥レシピ」をいのうえさんに教えていただきます。


春は自律神経系を司っている「肝(かん)」への負担が大きくなる季節です。気温の変化やストレスで「肝」の働きが乱れやすくなります。また、春風や春一番という言葉があるように、春は「風」と縁のある季節でもあります。心地よいうちなら問題ないのですが、風は人体に影響を及ぼす邪気(風邪:ふうじゃ)ともなり得ます。「肝」の働きの乱れと、風邪(ふうじゃ)の影響で、イライラ、不安、不眠、発熱、悪寒、発汗、鼻づまり、鼻水、くしゃみなど発熱性のカゼの症状や、じんましん、めまい、花粉症といった症状が起こりやすくなります。では、どんなものを食べて養生したらよいのでしょうか。


●「青(緑)」、「風邪(ふうじゃ)」を払う、「肝」をサポートする食材を選ぶ

「「肝」とは中医学における五臓(ごぞう)のひとつで、自律神経系を整える、血液の貯蔵、気血の巡りの調節を司ります。薬膳の考え方では、春は青(緑)の食材がよいとされます。青の食材と合わせて、「肝」をサポートする食材を摂るのがおすすめです。


・青の野菜

菜の花、春菊、小松菜、ほうれん草、キャベツなど


・風邪(ふうじゃ)を払う食材

しょうが、ねぎ、しそ、みょうが、みつば、ミント、菊花など


・血(けつ)を補うことで「肝」をサポートする食材

あさり、穴子、いか、さば、かつお、ほうれん草、パセリなど


・気血の巡りをよくすることで「肝」をサポートする食材

柑橘類、ミント、しそ、パセリ、みつば、セロリなど


・デトックス効果で「肝」をサポートする食材

ふきのとう、たらの芽、うど、わらびなど


・酸味のある食材で亢進(こうしん:勢いが高まること)した「肝」を落ち着かせる食材

梅干し、酢、トマト、柑橘類など

※酸味の摂りすぎは「肝」を緊張させるので量に注意


●「脾(ひ)」をサポートする食材を選ぶ

中医学では、肝のバランスが崩れると、「脾(ひ)」が弱ると考えます。脾とは、主に消化機能のこと。消化のよい米や芋類がおすすめです。また、温かく消化によい調理法を選択するとさらに脾を助けます。


肝や脾をサポートし、春の不調を整えてくれる、お粥とトッピング、そして付け合わせのレシピをご紹介します。




春の薬膳レシピ①|あさりと菜の花のお粥


心華やぐ春らしい食材を組み合わせたお粥です。菜の花はからし醤油で和えてから混ぜ込んで、少しパンチを効かせた味わいに。お粥は消化がよくて温かい、脾を労る料理の代表格。肝をサポートする菜の花、気血を巡らせるあさりで、イライラなど自律神経系の不調を防ぎます。


レシピでは殻付きのあさりを使っていますが、むき身でもOK

材料(2人分)

・菜の花...40g
・醤油...小さじ1
・からし(チューブ)...1cm
・水...500ml
・あさり(砂抜きをしたもの)...150g
・白米...75g
・塩...少々
・ごま油...小さじ1

作り方

  1. 菜の花は茎と葉に2等分します。沸騰した湯に塩少々(分量外)を加え、茎を入れて1分、葉を追加して30秒ほど茹でて冷水にとり、水気を絞って1cm幅に切ります。醤油、からしと合わせます。
  2. 鍋に水とあさりを入れて蓋を少しずらしてのせ、中火にかけます。あさりの口が開いたら、あさりを取り出し、むき身にしておきます。


  1. 2の鍋に米(研がなくてOK)を加え、沸騰したら弱火にします。アクをとりながら、たまにかき混ぜて30分ほど加熱します(途中、水分がなくなるようでしたら差し湯をしながら加熱してください)。


  1. 米がやわらかくなったら、塩、ごま油で調味します。2で取り出したあさりの身と1を加えます。





花粉症対策に! 「あさりと菜の花のお粥」にちょい足し薬膳食材



春は花粉症にお悩みの方も多いのではないでしょうか。「あさりと菜の花のお粥」にトッピングして、おいしく花粉症対策ができる食材を、いのうえさんにお聞きしました。

食材 こんな症状におすすめ
白ごま 透明でさらさらの鼻水が出る/くしゃみを連発する
セロリ(みじん切り) 粘り気のある鼻水が出る/鼻づまり/目のかゆみ
あおさ 花粉症が長引く/慢性的な鼻炎




春の薬膳レシピ②|長芋の梅和え



手軽に作れる和えものを「あさりと菜の花のお粥」の付け合わせに。「冬の疲労回復を助ける薬膳レシピ(連載1回目)」で腎サポート食材として紹介した長芋は、脾を整える効果もあります。肝によい酸味のある食材として梅干しと酢、血を補って消化機能を助けるかつお節を加えます。酸味が効いたさっぱりとした味わいは、気分もすっきりさせてくれます。


体を温める青ねぎも加えます

材料(2人分)

・長芋...150g
・梅干し...8g(塩分12%のものを使用)
★青ねぎ(小口切り)...5g
★かつお節...3g
★めんつゆ...小さじ1
★酢...小さじ1/2
★ごま油...小さじ1/2

作り方

  1. 長芋は皮を剥き、縦4等分に切り、ポリ袋に入れて麺棒などでたたきます。梅干しは包丁でたたいてペースト状にします。
  2. ボウルに1と★印の材料を入れて混ぜ合わせます。




※記事の情報は2026年3月31日時点のものです。

  • プロフィール画像 国際中医薬膳師・フードコーディネーター:いのうえ陽子

    【PROFILE】

    いのうえ陽子(いのうえ・ようこ)
    国際中医薬膳師・フードコーディネーター
    大手料理教室で講師をした後、祐成陽子クッキングアートセミナーでアシスタントを務める。現在はフードコーディネーターとして、レシピ開発、スタイリングに携わる。

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