YouTube でBGMを|テレワークにもステイホームにも!

OCT 27, 2020

スーパーミュージックラバー:ケージ・ハシモト YouTube でBGMを|テレワークにもステイホームにも!

OCT 27, 2020

スーパーミュージックラバー:ケージ・ハシモト YouTube でBGMを|テレワークにもステイホームにも! ゼロから何かを生み出す「創造」は、産みの苦しみを伴います。いままでの常識やセオリーを超えた発想や閃きを得るためには助けも必要。多くの人にとって、創造性を刺激してくれるものといえば、その筆頭は「音楽」ではないでしょうか。「創造する人のためのプレイリスト」は、いつのまにかクリエイティブな気持ちになるような音楽を気鋭の音楽ライターがリレー方式でリコメンドするコーナーです。

世界中のハイセンスなBGMがYouTubeで楽しめる時代

コロナ禍が契機となり、リモートワークやオンライン授業が増えたという方も多いのではないだろうか。これまで通勤・通学にかけていた時間と労力を考えると、必ずしも同じ場所にいなくても進められる仕事や講義、ミーティングなどはリモートに移行していくだろう。

ではリモートの時に快適な環境を作るためには何が必要だろうか。パソコンと使いやすいキーボードやマウス、長時間座っていても疲れにくいデスクや椅子? もちろんそれらも大切だが、忘れてはならないのがBGMだ。気が散りがちな自宅作業で集中力を保つためにも、そしてプライベートと仕事を分ける意味でもBGMは大切。そこで今回おすすめしたいのがYouTubeのBGMだ。

動画投稿サイトであるYouTubeは動画を楽しむだけの物だと思っている人が多いかもしれないが、画像はオマケ程度でメインは音楽、というコンテンツも少なくない。YouTubeは基本無料で使用できるので気軽に楽しめ、2020年4月現在、全世界に20億人以上のユーザーがいると言われている。投稿されているBGMコンテンツは玉石混淆だが、中には素晴らしいセンスのものもあるし、近年は音質面でも良好なコンテンツが増えている。というわけで、今回はYouTubeから、おすすめのBGMコンテンツをセレクトしてみた。



1.Happy Morning Cafe Music - リラックスジャズ&ボサノバ

まずは分かりやすい時間別のセレクションから朝にぴったりのものをご紹介しよう。こちらは軽めのタッチのボサノバやジャズの、いわゆるカフェミュージック的なBGMで気持ちがいい音楽が集められている。仕事や勉強を始める前のひとときにも最適だが、メインの仕事や勉強を始めるまえのメールチェックなど、肩慣らし的なタスクをするときなどにピッタリだろう。3時間半のコンテンツなので8時半からスタートするとちょうど12時で終わる。




2.A.M Study Session

さて、うって変わってこちらは夜中2時のためのソングリスト。ぐっとダウナーなローファイヒップホップサウンドだ。ちなみにローファイヒップホップとは、YouTube発の新しい音楽ジャンルで、音楽ファンから密かな人気を集めている。オールドスクール(良い意味で昔風)なヒップホップのメロディやコード進行をサンプリングして引用しながら、そこに少しモタり感のあるコンテンポラリーなビートが重ねられている。この曲を発信している「ChilledCow(チルドカウ)」というYouTubeチャンネルは、ローファイヒップホップを代表するチャンネルの一つなので、ぜひChilledCowのほかのコンテンツも聴いてみてほしい。午前1時用の「1 A.M」や午前3時用の「3 AM」も用意されていて、そのヘタりぐあいが微妙に違って面白い。




3.Happy October Jazz - Pumpkin Spice Coffee Jazz and Bossa Nova Music for Autumn

季節を切り口にしたBGMもあって、こちらは10月をイメージしたコンテンツ。サムネイル画像の動画も秋のカフェをイメージした物でアナログレコードが回っているところなど芸が細かい。ちなみにこちらのコンテンツのタイムは10時間ちょうど。丸1日仕事をしていても音楽をかけ直したりしなくていいところもYouTubeのBGMの便利なところ。昼休憩を1時間挟んでも9時間なので、このコンテンツを回し始めて音楽が終わったら終業、という使い方もできそうだ。




4.sad lofi for late nights

Happyときた後は、SadなBGM。こんな風にその時の気分で選べるコンテンツもたくさん用意されている。こちらも曲調はローファイヒップホップだが、「癒し要素」と「夜中感」がたっぷり入っているように思えるサウンドで、Sadでなくても心地良い。YouTubeにはこういったフィーリング系のコンテンツも多く「Can We Kiss Forever? 」なんて素敵な物まであるので、ぜひ色々探して聴いてみてほしい。




5.lofi hip hop radio - beats to relax/study to

ここからは目的別のセレクションをお送りしよう。まずは勉強、あるいは仕事用のBGM。セレクトしたのは先ほどもご紹介したChilledCowの「beats to relax/study to」。ローファイヒップホップのジャンルでは、このコンテンツが一番有名なのではないだろうか。曲のセレクションも特にセンスが光っている。「lofi hip hop beats to relax/study to」はApple Musicでも聴けるので、通勤・通学などのスマホでも手軽に楽しむことができる。


iTunes Store



6.Mozart Study Music Classical Music for Studying and Concentration Flute & Harp Instrumental

ローファイヒップホップも素敵だけど、毎日では飽きもくる。ということで時にはクラシックをバックに優雅に仕事・勉強するのはどうだろうか。このコンテンツはモーツァルトの曲がフルートとハープを中心とした演奏でまとめられている。画面に「Keep Calm and Study Hard」とあるように、心は穏やかに、でもガッツリと勉強しようというコンセプトのBGMだ。このコンテンツは再生時間が約3時間なので、再生中の3時間は徹底的に集中する、メールにも電話にも応答しない、という使い方が吉!




7.読書のためのクラシック音楽-モーツァルト、ショパン、ドビュッシー

さて、読書用にご用意したのは「Music for Reading」と題されたこのコンテンツで、こちらもクラシックのBGM。冒頭はサン=サーンスの「白鳥」でチェロの独奏曲だが、前半は主にピアノの独奏の曲が多く集められている。モーツァルト、ショパン、ドビュッシーの名曲が集められているが、時々坂本龍一のピアノ曲なども入っている。後半になると弦楽四重奏の曲に切り替わってきて、ややテンションが上がるのが面白い。読んでいる本のストーリーとうまくシンクロすると、妙に読書が盛り上がってくるのかも。




8.Reading Music Ambient Study Music Atmospheric Music for Studying, Concentration

こちらも同じく読書と仕事用に編まれたアンビエントミュージックのプレイリスト。こちらは3時間にわたる長大な曲で私が聴く限り区切りがないようだった。どこから聴いてどこで終わってもいいような曲。YouTubeなのでサムネイル画像が必ずあるわけだが、このコンテンツはなぜか土砂降りの雨の中、妙齢の女性が公園のチェアに座って読書している画像が選ばれているのが印象的。これでは本は読めないだろう、とツッコミたくなる。




9.cute songs to help you relax and stay calm

そしてリラックスタイム用のコンテンツ。ローファイヒップホップと比べるとよりスローでアコースティックなサウンドが心地よい。音数が少なくて点描的で余白のあるサウンドがいかにもリラックスできそう。20分程度なので、リモートワークの休憩タイムなどのリラックス用にいいタイマー代わりになる。




10.night drive - An Indie/Alternative Playlist

今度はステイホームではなくドライブ用のリスト。夕暮れから浅い夜にクルマを走らせるときにピッタリのサウンドが気持ちいい。今回のセレクションでは唯一といっていいボーカルが入った曲がセレクトされているが、そのくらいの方が落ち着いた大人の夜のドライブにフィットする。この「alexrainbirdMusic」というチャンネルはフォーク、ロック系のボーカルものが多いが、いずれもクオリティが高く「East Love - Sunday Afternoon」というコンテンツも素晴らしい。




11.8 Hours of Relaxing Sleep Music for Stress Relief • Beautiful Piano Music, Vol. 3

打って変わって、こんどは睡眠用のプレイリスト。淡々とした静かなピアノ曲が8時間流れる。シンプルなサウンドだが、深いエコーが使われているので非常に幻想的で美しい音色だ。これは寝るときもいいが、静かに考え事をしたいときにも向いているのではないだろうか。まぁ下手な考え休むに似たりで、結果的に気持ちよく寝てしまうかもしれないが。




12.よい睡眠のためのクラシック音楽-ピアノによるクラシック音楽

こちらも睡眠用プレイリストで、ベートーヴェンの「月光」のアルペジオから始まるクラシックピアノのプレイリスト。リスト、ショパン、ドビュッシー、モーツァルト、バッハとピアノの名曲が次々に出てくるので、ピアノ好きな人、クラシック好きな人だと、逆に聴き入って目が冴えてしまうかもしれないのが難点かも。とはいえサムネイル画像の猫は実に気持ちよさそうに寝ている。




13.春の森の音と眠るためのリラックスした鳥のさえずり

さて、最後にご紹介する2つは、もはや音楽ですらない「環境音」。実はYouTubeには様々な環境音のコンテンツがあり、ステイホーム中に音楽に飽きたときに、私はこのような自然音を聴いていたが、これが実に気持ちがいい。特に森の自然音は、おそらくはるか昔のご先祖様が毎日聞いていたものだろう。長時間再生していると「耳が聴く」というより音が体の奥に沁みていく、あるいは遺伝子がゆっくりと共振してくるような気がする。特に日頃音楽をヘビーに聴いている音楽ファンの方は、ぜひ試してみてほしい。




14.森の中の滝。流れる水の音。リラックス、睡眠の問題、ストレス解消、耳鳴り、瞑想、勉強。

同じく自然音だが、こちらは森の小さな滝の音。水音も深い鎮静作用がある。実際の自然音にはハイレゾ音源でも再現できないぐらいの高音域があるのでもっと鎮静作用があると言われるが、YouTubeの音でも十分に落ち着く。
自然音の私のオススメは、パソコンなどで別タブを使い、他のBGM音源に森の音や滝の音などの自然音を混ぜることだ。例えば今回ご紹介した「2. A.M Study Session 」や「11. 8 Hours of Relaxing Sleep Music for Stress Relief • Beautiful Piano Music, Vol. 3」に、この滝の音を混ぜてみると、不思議なことに実に気持ちのよいサウンドに聴こえる。自然音と音楽の組み合わせは自由なので、ミックスして聴くこと自体がクリエイティブな作業にもなり、リスニングの楽しさが指数関数的に高まるので、ぜひ一度お試しあれ! ちなみに自然音だけでなくマンハッタンの街の喧噪音などのアンビエンスノイズもなかなかいいぞ。



※記事の情報は2020年10月27日時点のものです。

  • プロフィール画像 スーパーミュージックラバー:ケージ・ハシモト

    【PROFILE】

    ケージ・ハシモト
    あるときは音楽ライター、あるときはミュージシャン、あるときはつけ麺研究家と正体不明の超音楽愛好家。音楽の趣味もジャンルレスでプライスレス。

連載/まとめ記事

注目キーワード

人物名インデックス

最新の記事

公開日順に読む

ページトップ