
【連載】ユーモア文字による「こころの歳字記」
2026.09.18
南 久美子
紅葉(こうよう)
和紙と墨字による独自の画風でユーモアを表現する、遊墨マンガ家の南久美子さん。連載、ユーモア文字による「こころの歳字記」では、南さんによる四季折々のイラストとメッセージをお送りします。
イラスト:南 久美子
ようやく秋めいてきましたね。物思ふ秋......
この時期、ふと自分の立ち位置を見つめ直している方も多いのではないでしょうか。
今回の歳字記の主人公は「木の葉」です。
芽吹いた時からミドリ色。癒しの色だと評価はされても、周囲の樹木に紛れてしまい、目立つこともなく、風任せに揺れて過ごす凡庸な日々......。決してコンフォートゾーンを否定する訳ではないけれど、メリハリのある華やかな人生にも強く惹かれ常に自分探しの迷路を彷徨(さまよ)っている、という設定の擬人化木の葉です。そんな「木の葉」に秋は「紅葉(こうよう)」という大変身をプレゼントしてくれます。
昔の人は、散り失せる寸前の紅葉を「死化粧」などと、寂しい表現をしましたが、若い樹木には再生力が備わっています。
黄金色から赤への美しいグラデーション、今まで振り返ってもらえることなどなかった木の葉に称賛の声が浴びせられ、スマホやカメラが向けられる。イラストは、変貌したわが身に驚き有頂天になっている様子を描きました。
が、しかし、それほど望んできたことにもかかわらず、「変身」が現実化し出すと、大きな不安の波がやってきます。
思い出してみてください。入学入社、転居転職、結婚等々、その時々の心模様を......。それは、「変化」を嫌う脳が元の状態に引き戻そうとする作用のせいだそうですが、怯んだり、後ずさりさせようと邪魔する貴方のその脳に打ち勝ち、夢の「変身」に向けて、この秋、まず、木の葉一枚分だけでも色を変えてみませんか?
遊墨マンガ家 南 久美子
※記事の情報は2026年9月18日時点のものです。
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【PROFILE】
南久美子(みなみ・くみこ)
漫画家
京都府京都市出身。1972年京都精華短期大学(現・京都精華大学) 美術科 クリエイティヴデザインクラスを卒業後、地元新聞4コマ漫画にて漫画家デビュー。その後和紙と墨字による独自の画風でユーモアを表現。癒し感覚で人間や社会を風刺し、ユーモアセラピストとして各地で作品展を展開中。アトリエ ほっ 主宰、NPO法人癒しの『ほっ』代表、社団法人日本漫画家協会会員、京都府立医科大学臨床倫理委員、NTT西京都情報懇話会委員、NHKカルチャーセンター講師(2024年現在)
公式サイト https://ho-minami.com/
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