町の人と共につくる「海岸線の美術館」。宮城・雄勝町の防潮堤を資産に変える

アート

海岸線の美術館 館長 髙橋窓太郎さん, 壁画制作アーティスト 安井鷹之介さん〈インタビュー〉

町の人と共につくる「海岸線の美術館」。宮城・雄勝町の防潮堤を資産に変える

2022年11月、宮城県石巻市雄勝町(おがつちょう)に誕生した「海岸線の美術館」。東日本大震災後に設置された、高さ最大約10m、全長約3.5kmの巨大な防潮堤に壁画を描いていくアートプロジェクトです。「海が見えなくなった港町に風景を生み出し、残し続けたい」――町全体を美術館にしようと立ち上がった、館長の髙橋窓太郎(たかはし・そうたろう)さんと、壁画制作アーティストの安井鷹之介(やすい・たかのすけ)さんにお話をうかがいました。取材は髙橋さんが運営に携わる「元映画館」(東京・日暮里)にて行いました。(メイン写真提供:海岸線の美術館)

写真:山口 大輝

髙橋窓太郎さんと安井鷹之介さんは、共に東京藝術大学出身で、学生時代から旧知の仲だ。髙橋さんは大学院を卒業後、広告代理店に8年間勤め、2022年7月に退職。現在は館長として、「海岸線の美術館」の企画・運営を手がけている。安井さんは髙橋さんの試みに賛同し、壁画制作アーティストとしてプロジェクトに参画。2024年2月現在、防潮堤には安井さんによる4つの壁画が描かれている。東北出身ではない2人が、いかにして宮城県石巻市雄勝町に野外美術館をつくるにいたったのか。


左が海岸線の美術館 館長の髙橋窓太郎さん、右が壁画制作アーティストの安井鷹之介さん左が海岸線の美術館 館長の髙橋窓太郎さん、右が壁画制作アーティストの安井鷹之介さん


髙橋さんが初めて雄勝町を訪れたのは、会社員だった2019年の夏のこと。地域の課題を解決する事業案を考えるというビジネス研修で、その光景を目の当たりにした。


ビジネス研修で雄勝町の防潮堤を見る。「放っておけない」

──最初に防潮堤を見た時、どう思いましたか。


髙橋さん:信じられなかったです。社会に出て働く中で、信じられないことって世の中にたくさんあるなと感じることが多かったのですが、防潮堤を見た時もそうでした。メディアなどで目にすると思いますが、実際に見ると大きすぎて圧倒されました。このまま放ってはおけない、誰かが壁に抗わないといけないと思ったんです。


──防潮堤に絵を描くという発想はどのように生まれたのですか。


髙橋さん:壁を見た時点で、ここに絵を描いたら面白そうだなと思いました。海が全く見えなかったので、絵で風景を取り戻せないかと。地元の住民に防潮堤についてどう思うか聞くと、「建っちゃったからしょうがない」、「許せない」などといろんな意見があったのですが、ポジティブな意見はあまりなかったんですよね。

雄勝町は東日本大震災の時、最大約20mの津波が襲ったのですが、この防潮堤は最大約10mなのであまり意味がないということもあって、「負の遺産」ともいわれています。そんなものができてしまった"オワコンの町"みたいなイメージも払拭したくて、その壁を人がわざわざ見に来るような資産に変えられないかと考えました。

髙橋さん


──研修での企画を実行に移す行動力が素晴らしいですね。


髙橋さん:ただ事業案を考えて終わり、では意味がない。やるなら実際にやろうと思ってプロジェクトを始めました。始めは地域の人と一般社団法人を立ち上げて、ボランティアとして加わり、当時僕は東京で働いていたので、リモートで話し合っていました。

それから1年ほど経ち、どんな人に描いてもらいたいか考えて、安井に相談したところすぐに賛同してくれました。そして一緒に現地へ行ったら、安井も雄勝町を気に入ってくれたんです。


──安井さんは髙橋さんからお話を聞いてどう思いましたか。


安井さん:東北に対して何かしらの関わりは持ちたいとずっと思っていたので、ついに来たか! と思いました。僕は愛知県出身ですが、震災当時は名古屋で作品を作っていて、その作品が揺れ出したんですよ。帰り道、携帯で現地のニュース映像を観た時、ショックが大きかったです。ただ情報を仕入れるだけで何もできない自分の無力さを痛感して、いつか東北に貢献したいという思いが当時からありました。


安井さん


町の人との対話や結びつきから作品が生まれる

──2020年11月には、資金調達のためクラウドファンディング(以下、クラファン)を開始しました。その時の手応えはいかがでしたか。


髙橋さん:反応は良かったです。当初は「防潮堤美術館」という名前でした。「防潮堤」が強いワードだったのと、初回のクラファンということで話題性もあって、資金は結構集まりました。その後「防潮堤」はマイナスなイメージを持たれやすいので、「海岸線」に変更し、体制づくりにももっと時間をかけるべきだと思い、クラファンをいったん中止しました。


──具体的には何が足りなかったのでしょう。


髙橋さん:住民の方々ともっとお話をするべきだと思いました。再始動するために一般社団法人SEAWALL CLUBを2021年6月に設立しました。設立にあたって安井が雄勝町の道の駅に1カ月滞在して、制作展を開いたんです。町の方々におすすめの場所などを聞いて、その風景を安井が描いていく。そのようにして町の人たちと地道にコミュニケーションを取るところから再出発しました。


安井さん:1カ月も滞在して生活するとなると、町の方々がいろんな面倒を見てくれるんです。食や遊び、何から何まで。友達になった人もいました。その滞在によって、町の方々との関係性が生まれましたね。

学校の校庭から見える風景を描いた時、「作品が大きすぎて持って帰れないな」と話していたら、雄勝小・中学校の当時の校長先生が「学校に飾りたい」と言ってくださり、寄贈することになりました。それがきっかけで「学校の中庭にある壁に絵を描いてほしい」と依頼を受けて、そこに桜の木と生徒たちを描いたのが、「海岸線の美術館」の最初の作品となりました。


壁画No.0「HIGHLIGHT | ハイライト」。雄勝小・中学校の壁に、「奇跡の桜」と呼ばれる桜の木と当時の在校生徒33名を描いた(写真提供:海岸線の美術館)壁画No.0「HIGHLIGHT | ハイライト」。雄勝小・中学校の壁に、「奇跡の桜」と呼ばれる桜の木と当時の在校生徒33名を描いた(写真提供:海岸線の美術館)


──この作品「HIGHLIGHT | ハイライト」にはどんな意味が込められているのですか。


安井さん:震災後、旧雄勝中学校の校舎に唯一生き残って花を咲かせた「奇跡の桜」と呼ばれる桜の木をモチーフにしています。僕がこの壁画を描いた年に、桜は朽ちて花を咲かせなくなってしまったので、壁に描くことで後世に残していこうという意味を込めています。

また桜の木と共に、2022年時点で在籍していた全校生徒33名を描きました。雄勝町には高校がないので、中学を卒業すると町を出て帰らない子が多いんですよ。当時の姿を描いて土地に愛着を持ってもらうことで、生徒が大人になってからここに帰ってくる理由にもなるし、町との関係をずっと持ち続けてもらえると思いました。


──防潮堤ではなく、地元の学校に壁画を描くことから始まったというのが、雄勝町との結びつきを感じます。


安井さん:学校に壁画を描いたことで、"学校に絵を描いた作家"という実績になり、信頼が生まれたと思います。壁画といってもたくさん種類があるので、町の皆さんは不安じゃないですか。校長先生のおかげで僕の絵の雰囲気を伝えられて、こんな絵だったら土地に合う、と思ってもらえるような自己紹介の1枚になりました。


雄勝小・中学校では、中庭の階段に洞窟遺跡をイメージした地上絵も、安井さんが生徒たちと共同で制作した(写真提供:海岸線の美術館)雄勝小・中学校では、中庭の階段に洞窟遺跡をイメージした地上絵も、安井さんが生徒たちと共同で制作した(写真提供:海岸線の美術館)


──2022年8月に2回目のクラファンを実施し、同年9月に住民やクラファン支援者を呼んで壁画の下地制作イベントが行われました。町の人が制作に参加できるのもすてきですね。


髙橋さん:青系のペンキで思い思いに塗ってもらいました。手の届く範囲はだいたい決まっているので、きれいに水平線が出来上がるんですよ。自分が携わった作品が町の原風景になる。子どもたちは作品制作に参加したことで、成長して振り返った時に誇れる瞬間がやってくると思います。子どもたちと共に成長できるような原風景になればいいなと思います。


2022年9月に行われた下地制作イベントの様子。住民の親子やクラファン支援者が集まり、壁画 No.1「THEORIA | テオリア」の下地を制作した(写真提供:海岸線の美術館)2022年9月に行われた下地制作イベントの様子。住民の親子やクラファン支援者が集まり、壁画 No.1「THEORIA | テオリア」の下地を制作した(写真提供:海岸線の美術館)



壁画は多くの人に愛される「公共」のアート

──安井さんは絵を描く上で心がけていることはありますか。


安井さん:この壁画は住民が毎日目にしますから「公共」ということを強く意識しています。普段は1人で黙々と描いていますが、公共の場に置かれる絵なので、できるだけ町の方々と対話を深めながら、アイデアを練ることを大事にしています。


壁画 No.2「A Fisherman | 漁師」。毎朝海に出て仕事をする雄勝町の漁師の姿に感銘を受け、船頭にてロープをくくる漁師の背中のワンシーンを切り取った(写真提供:海岸線の美術館)壁画 No.2「A Fisherman | 漁師」。毎朝海に出て仕事をする雄勝町の漁師の姿に感銘を受け、船頭にてロープをくくる漁師の背中のワンシーンを切り取った(写真提供:海岸線の美術館)


壁画No.3「GOLDEN TWILIGHT | 黎明」。安井さんが浜に住むおじいさんからもらった、手摘みのブーケをモチーフにしている(写真提供:海岸線の美術館)壁画No.3「GOLDEN TWILIGHT | 黎明」。安井さんが浜に住むおじいさんからもらった、手摘みのブーケをモチーフにしている(写真提供:海岸線の美術館)


──安井さんが考える「公共」の作品とはどういうものでしょうか。


安井さん:「公共」の作品は、数多くの人に愛されなければならない。そのために、まず描く人間の人間性を知ってもらうことが、作品への愛着につながると思っています。あとは長く残ること。恒久的な作品であることを考えながら制作しています。


安井さんのアトリエにて安井さんのアトリエにて


右にあるのは、壁画 No.1「THEORIA | テオリア」の一部を再現したもの。パネル1枚は60cm×120cmの原寸大で、壁画の大きさがうかがい知れる。このパネル1枚を1壁という単位にして、1壁の所有者「壁主(かべぬし)」になれる権利も販売しており、2024年2月現在、約180名が壁主に登録されている右にあるのは、壁画 No.1「THEORIA | テオリア」の一部を再現したもの。パネル1枚は60cm×120cmの原寸大で、壁画の大きさがうかがい知れる。このパネル1枚を1壁という単位にして、1壁の所有者「壁主(かべぬし)」になれる権利も販売しており、2024年2月現在、約180名が壁主に登録されている


──壁画の完成までにはどのくらいかかるものなのですか。


安井さん:2枚同時に制作していたこともあり、最初の作品は、2、3カ月かかりました。周りの風景と絵を融和させるために、あらかじめアイデアを決めすぎずその場で考えながら描いています。決めすぎると、絵が周りの風景となじまず浮いてしまうんです。その場で描くからこそ、どうしても制作時間はかかってしまいますね。


髙橋さん:通常の壁画は下絵を描いたら決め打ちで、システマチックに足場を組んで描くことが多いのですが、安井の場合はそうじゃない。高所作業車に乗って、描いて、引いて見て......を繰り返しながら描いてます。


壁画No.4「BIG CATCH | 名振のおめつき」の制作風景。作業に使用する高所作業車、ペンキはそれぞれ協賛企業の株式会社アクティオ、関西ペイント販売株式会社と協立塗料株式会社から提供されている(写真提供:海岸線の美術館)壁画No.4「BIG CATCH | 名振のおめつき」の制作風景。作業に使用する高所作業車、ペンキはそれぞれ協賛企業の株式会社アクティオ、関西ペイント販売株式会社と協立塗料株式会社から提供されている(写真提供:海岸線の美術館)


名振地区の伝統の祭り「おめつき」を描いた。祭りの存亡が危ぶまれていることから、継承していく願いを込めている(写真提供:海岸線の美術館)名振地区の伝統の祭り「おめつき」を描いた。祭りの存亡が危ぶまれていることから、継承していく願いを込めている(写真提供:海岸線の美術館)



何もない土地を、人が集まる美術館にするという価値変換

──壁画が生まれる前後で、変化を感じた場面はありますか。


髙橋さん:多くの町の人が「ありがとう」と言ってくれて、喜んでもらえているのが素直にうれしいです。面白いことに絵を描いたことで、それまでそこにあった防潮堤が余白に見えてきて、大きいはずの壁画が小さく見えるんですよ。だからいざ絵ができてみると「意外と小さいね」って言われてしまいました(笑)。「壁に全部描いちゃいなよ」という意見も多くて、初めの2作品は元々1枚だけ描く予定でしたが、町の人のアイデアでもう1枚描くことになりました。


安井さん:絵を描くことで、壁が小さく見える効果もあるのかと思いましたね。そういう気付きもありつつ、一番変化を感じるのは、何もなかった壁、使われていない土地に人が行き交うようになったことです。


海岸線の美術館の俯瞰風景(写真提供:海岸線の美術館)海岸線の美術館の俯瞰風景(写真提供:海岸線の美術館)


──地域活性化や観光資源にもなりますよね。


髙橋さん:僕は価値をどう変換するかに興味があります。ここ「元映画館*」もそうで、閉館後、30年間放置されていた映画館をそのままにしておくのが信じられず、「元映画館」と名付けてイベントスペースとして価値を変換しました。

それと同じで、ただ壁画を描くだけでは価値の変換ではないので、「美術館」と捉え直す。美術館って人が集まる場所ですよね。お祭りや食事会、音楽ライブをやってもいい。いろんな活動が行われる場所に変換できるといいなと思います。

そうした思いから、2022年11月と2023年10月に「雄勝壁画まつり」を行いました。みんなで集まって壁画を見て、話して、食事して......というイベントです。このお祭りは今後も毎年開催したいと思っています。

*元映画館:東京・日暮里にある、1991年に閉館した映画館「日暮里金美館」を改修したアート/イベントスペース。髙橋さんが運営に携わっている。



▼海岸線の美術館 雄勝壁画まつり【2022.11.26】

美術館の開館と壁画No.1、2の完成を祝うイベントで、県内外から人が集まり、壁画の前で和太鼓やオーケストラの演奏、食事会、音楽ライブなどが催された


壁画No.3、4の完成を祝して2023年10月22日に行われた「雄勝壁画まつり」では、アクティオが出展した高所作業車で壁画を空から眺める「アクティオ天空壁画ツアー」を開催。安井さんは「絵を描いている時、視点を変えると絵と共に風景が見えて面白いと感じたので、それを体験してもらいたくて実現しました。これは毎年やりたい」と話す(写真提供:海岸線の美術館)壁画No.3、4の完成を祝して2023年10月22日に行われた「雄勝壁画まつり」では、アクティオが出展した高所作業車で壁画を空から眺める「アクティオ天空壁画ツアー」を開催。安井さんは「絵を描いている時、視点を変えると絵と共に風景が見えて面白いと感じたので、それを体験してもらいたくて実現しました。これは毎年やりたい」と話す(写真提供:海岸線の美術館)


「海岸線の美術館」を世界遺産に! 町の人と一緒につくっていきたい

──最後に、「海岸線の美術館」の今後の理想像を教えてください。


髙橋さん:最初の年は僕たちだけで作品やお祭りを企画していましたが、今年は住民の方が作品のアイデアをくれたり、お祭りを一緒に企画してくれるなど、どんどん主体になる人が増えてきました。自分たちが例を最初に見せると、町の人や協賛企業を含めてたくさん人が参加してくれるので、みんながやりたいことをやればいいと思っています。

僕はこの美術館は「建築」であり、新しい再開発の方法であるとも捉えています。町の人と一緒に会話をしながら町全体をおこしていくような、新しい公共の在り方を提示できると思います。

壁画を毎年1、2枚描くことだけは目標に、やれるだけ続けていって、多くの人に来てほしいですね。みんなが来たいと思うまでには、物理的な規模、枚数が必要だと思うので、そこまで続けていって、最終的には世界遺産にしたいです。とにかく来てもらえば絶対に人生の中で熱い経験になると思います! 僕ですら2、3カ月空けて久しぶりに行くと、めっちゃいいなと思うんですよ。


髙橋さんと安井さん


安井さん:あぁ~それある! 東京に帰って、東京の脳になった状態でまた行くと、すごいものをつくっているなって改めて実感します。住民にとっては見慣れた景色なので、あることが当たり前で、飽きちゃってもいい。でも、はたから見るとそれ自体がすごく異様なことに見える。そんなレベルまでいけたら相当すごい町になると思います。

──企画から制作、完成後まで、一貫して町の人との対話やつながりを大切にされていると感じました。町の人と共につくる美術館は、今後も長く愛され続けていくことでしょう。アート、建築、観光資源と、さまざまな観点で革新性を感じる「海岸線の美術館」の未来を楽しみにしています!



海岸線の美術館(Seawall Museum Ogatsu)
所在地:〒986-1336 宮城県石巻市雄勝町上雄勝2丁目22
開館時間:0:00~24:00
(野外美術館につきいつでも自由に観覧可能)
休館日:年中無休
入館料:無料
駐車場:みうら海産物店横空き地



取材協力:元映画館

※記事の情報は2024年2月20日時点のものです。

  • プロフィール画像 海岸線の美術館 館長 髙橋窓太郎さん

    【PROFILE】

    髙橋窓太郎(たかはし・そうたろう)

    海岸線の美術館 館長。一般社団法人SEAWALL CLUB 代表理事。東京都出身。東京藝術大学・大学院建築科卒業。大学で建築意匠設計を学んだ後、広告代理店勤務を経て、海岸線の美術館を立ち上げた。公共の在り方や手法などのプランニングや、パブリックスペースの企画・運営、プロジェクトデザインを行っている。

  • プロフィール画像 壁画制作アーティスト 安井鷹之介さん〈インタビュー〉

    【PROFILE】

    安井鷹之介(やすい・たかのすけ)

    海岸線の美術館 壁画制作アーティスト。愛知県出身。東京藝術大学彫刻科卒業。MAHO KUBOTA GALLERY所属。大学在籍時、ミケランジェロやロダンなど古典から近代までの彫刻を学び、一方で主に欧米の現代アートの潮流に触れる。石膏と布で造形した彫刻で注目を集め、このオリジナルな手法を用い独特のボリューム感を持つペインティングも制作する。日本人離れしたセンスと現代的で開かれた表現が幅広い層の共感を呼んでいる。

    ■海岸線の美術館(Seawall Museum Ogatsu)
    2022年11月に宮城県石巻市雄勝町に誕生した野外美術館。2011年に発生した東日本大震災後に海岸線を囲うように建設された、高さ最大約10m、全長約3.5kmの巨大な灰色の防潮堤の壁面に壁画を描き、壁によって海の風景を見ることができなくなった海岸線に新しい風景を生み出すことで、人と防潮堤の新たな関係性を築くことを目指している。

    事業運営主体:一般社団法人SEAWALL CLUB / 共催:石巻市
    公式サイト:https://kaigansennobijutsukan.com
    Instagram:https://www.instagram.com/seawallmuseum_ogatsu/
    Facebook:https://m.facebook.com/seawallclub/
    YouTube:https://www.youtube.com/channel/UCrgB30NfjMTvosaypd_0dqA

RELATED ARTICLESこの記事の関連記事

アートを通して、会話が生まれる。偶然の出合いを楽しむ「アートパラ深川おしゃべりな芸術祭」
アートを通して、会話が生まれる。偶然の出合いを楽しむ「アートパラ深川おしゃべりな芸術祭」 福島治さん グラフィックデザイナー・東京工芸大学デザイン学科教授〈インタビュー〉
いつでも恥をかく向こう側にいる人間でありたい
いつでも恥をかく向こう側にいる人間でありたい 沼田健さん イラストレーター・漫画家〈インタビュー〉
生まれ変わっても、またイモムシを描きたい|イモムシ画家 桃山鈴子
生まれ変わっても、またイモムシを描きたい|イモムシ画家 桃山鈴子 桃山鈴子さん イモムシ画家〈インタビュー〉
「創作のヒントは、制約の中にある」――イラストレーター 佐々木悟郎
「創作のヒントは、制約の中にある」――イラストレーター 佐々木悟郎 佐々木悟郎さん イラストレーター〈インタビュー〉
折り紙も作れる紙漉き職人として、伝統を継いでいきたい。
折り紙も作れる紙漉き職人として、伝統を継いでいきたい。 有澤悠河さん 折り紙作家・紙漉き職人〈インタビュー〉
ブックフォールディングで独自の世界を創造する
ブックフォールディングで独自の世界を創造する D. Hinklayさん ブックフォールディング・折り紙クリエイター〈インタビュー〉

NEW ARTICLESこのカテゴリの最新記事

切り絵作家 梨々|小説切り絵が話題に。日本の美しい文化を伝える精緻な作品作り
切り絵作家 梨々|小説切り絵が話題に。日本の美しい文化を伝える精緻な作品作り 梨々さん 切り絵作家〈インタビュー〉
鳳蝶美成|
鳳蝶美成|"盆ジョヴィ"の仕掛け人が見出した、盆踊りの秘めたる魅力と可能性 鳳蝶美成さん 日本民踊 鳳蝶流 家元師範〈インタビュー〉
林家つる子|女性目線で描く古典落語。見えてきた落語の新たな魅力
林家つる子|女性目線で描く古典落語。見えてきた落語の新たな魅力 林家つる子さん 落語家〈インタビュー〉
原愛梨|唯一無二の「書道アート」で世界に挑む
原愛梨|唯一無二の「書道アート」で世界に挑む 原愛梨さん 書道アーティスト〈インタビュー〉
南 久美子|漫画が、自分の知らないところでメッセージを届けてくれる
南 久美子|漫画が、自分の知らないところでメッセージを届けてくれる 南 久美子さん 漫画家〈インタビュー〉

人物名から記事を探す

公開日順に記事を読む

ページトップ