【連載】創造する人に役立つ文房具
2021.01.08
菅 未里
常識にとらわれない「大人のルーズリーフ」
モノを書くことを覚え始めた幼少期からずっと身近にあるペンやノートなどの文房具。いま改めてその世界を覗き込めば、使い心地、デザイン、遊び心やユニークさなど、多様なアイテムがあり、進化を遂げていることに驚かされます。連載「創造する人に役立つ文房具」では、文具ソムリエール菅未里さんに、数ある文具の中から「使うことでクリエイティブな気持ちになれるアイテム」をご紹介いただきます。
ルーズリーフは子どものもの?
子どものころ、ルーズリーフのお世話になった方は多いと思います。リフィルをバインダーに綴じて使うルーズリーフは、中身を入れ替えることもできるので、通常のノートより自由度が高いのが特徴です。学校や塾の勉強に活躍したことでしょう。
しかし、そのせいでルーズリーフに「子どものもの」という印象を持ってしまった方もいそうです。今回は、その印象を覆すルーズリーフをご紹介しましょう。
「Creative Support Market」限定のルーズリーフ
スケッチブックでおなじみのマルマンに、「Creative Support Market(クリエイティブ サポート マーケット)」という名のオリジナル通販サイトがあります。そこだけで買えるルーズリーフ「PIET(ピエト)」が、今回の主役です。
Creative Support Marketは、名前の通りクリエイティブな仕事のためのアイテムを集めています。ピエトはそこで売られているだけあり、一味違うルーズリーフです。
創造性を刺激する、多様なリフィル
何が違うかというと、まずリフィルの内容が幅広いこと。リフィルには、ルーズリーフに多い横罫線以外にも、トレーシングペーパーや画用紙、水彩紙などが用意されています。穴の縁に沿ってペンを動かすことで特定の図形を描ける「ステンシル」までありますね。
使い方は自由。イラストを描いたり、雑誌の記事をスクラップしたり。もちろんノートとしてもいいでしょう。
モンドリアンの名のもとに
さらに、一目で分かるように、アートディレクター・グラフィックデザイナーの平野篤史氏によるデザインが非凡です。例えばリフィルにはタブ付きのルーズリーフインデックスがあるのですが、普通なら長方形になるところのタブが曲線です。
リフィルを収納するバインダーも派手ですし、よく見るとリングの色も主張が強いですね。
それも当然かもしれません。「ピエト」の名は、あの抽象画家ピエト・モンドリアンに由来するそうです。印象に残る抽象画を描いたモンドリアンがもしルーズリーフを使ったら、普通のものでは満足しなかったでしょう。
視覚的な刺激が脳を活性化
デザインといい、リフィルの多様性といい、常識にとらわれないルーズリーフです。ユーザーは常に強烈な視覚的刺激にさらされ続けますから、仕事も平凡になることはないでしょう。少なくとも、飽きにくいのは確かです。
リフィルを入れ替えられるルーズリーフは、ノートよりも思考の整理には向いています。クリエイティブな1年に向けて、少し尖ったルーズリーフはいかがですか?
【ご紹介したアイテム詳細はこちら】
マルマン「PIET」
※記事の情報は2021年1月8日時点のものです。
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【PROFILE】
菅未里(かん・みさと)
文具ソムリエール。
文房具販売・仕入れ担当を経て、文房具の専門家として独立。
国内外で商品や売り場の企画・監修、各種メディア出演、メーカーのコンサルティング、執筆などを行っている。日経MJなど連載多数。
著書に『私の好きな 文房具の秘密』(エイ出版社)、『仕事を効率化する ビジネス文具』(ポプラ社)、『毎日が楽しくなる きらめき文房具』(KADOKAWA)、『文具に恋して。』(洋泉社)がある。
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