コロナ禍の中、学びに差をつける「光るペン」

【連載】創造する人に役立つ文房具

菅 未里

コロナ禍の中、学びに差をつける「光るペン」

モノを書くことを覚え始めた幼少期からずっと身近にあるペンやノートなどの文房具。いま改めてその世界を覗き込めば、使い心地、デザイン、遊び心やユニークさなど、多様なアイテムがあり、進化を遂げていることに驚かされます。連載「創造する人に役立つ文房具」では、文具ソムリエール菅未里さんに、数ある文具の中から「使うことでクリエイティブな気持ちになれるアイテム」をご紹介いただきます。

なかなか終わりが見えないコロナ禍の中で、セミナーなどの集まりに出る機会も減っているのではないでしょうか。


もちろん、イベントのオンライン化が進んでいるのはとてもありがたいことです。外出せず、家にいながらイベントを経験できます。しかし、「現場」でなければ得られない情報もあるはず。セミナーなどに出席する機会がもしあれば、大切にしたいものです。


今回ご紹介するのは、そんな貴重なセミナーを100%活かすためのアイテム、ゼブラの「ライトライトα(アルファ)」です。


ゼブラの「ライトライトα(アルファ)」




ライト付きボールペンには需要があった

2018年、ゼブラは「ライトを搭載したボールペン」という、ちょっと面白い文房具を発売しました。それが「ライトライト」です。なぜそんなことをしたのかというと、ゼブラの調査で、医療・介護・建設・警備・宅配などの現場で働く人の約4割は、暗いところで筆記しなければいけないことがしばしばあると判明したからです。そういう方々に向けて、ライト付きボールペンを売り出したというわけです。


下調べが功を奏したのかライトライトは好評を博しました。そして今年3月1日、ライトライトをアップデートした「ライトライトα」が発売されました。




急な暗がりでも見やすい赤色ライト搭載

最大の変化は、従来の白色ライトに加え、赤色ライトを搭載したモデルが追加されたことでしょうか。暗いところから明るいところに出た時に目が明るさに慣れることを「明順応」と呼びますが(逆が暗順応)、明順応が起こると、暗いところが見にくくなってしまいます。暗いところで筆記するときに明順応が起こってしまうと困りますね。


しかし、赤色ライトは明順応を起こしにくいことが知られています。だから、暗闇の中での筆記に向いているんですね。


また、ペン先とノック部分に蓄光パーツを採用したのも大きな進化です。暗闇でも光る蓄光パーツがあれば、真っ暗な状況でもすぐにペンを見つけられます。


ペン先とノック部分に蓄光パーツを採用し


真っ暗な状況でもすぐにペンを見つけられます


私としては、デザインが重厚さを増した点にも注目したいですね。前作のライトライトは特定の職業の方を強く想定していた感じでしたが、今回はオフィスにも映えるデザインになっています。しかも、お値段は600円+税。単なるアルミ軸のボールペンとしても高くない価格ですが、そこにライトまで付いてくるのです。替え芯もしっかり用意されていますから、ボールペンとしての使い勝手も問題ありません。



暗いセミナールームなどでメモを取るには最適のペンです。まだまだ続きそうなコロナ禍ですが、これがあれば貴重な学びの機会を効果的なものにできるでしょう。



【ご紹介したアイテム詳細はこちら】
ゼブラ「ライトライトα」


※記事の情報は2021年3月9日時点のものです。

  • プロフィール画像 菅 未里

    【PROFILE】

    菅未里(かん・みさと)

    文具ソムリエール。
    文房具販売・仕入れ担当を経て、文房具の専門家として独立。
    国内外で商品や売り場の企画・監修、各種メディア出演、メーカーのコンサルティング、執筆などを行っている。日経MJなど連載多数。

    著書に『私の好きな 文房具の秘密』(エイ出版社)、『仕事を効率化する ビジネス文具』(ポプラ社)、『毎日が楽しくなる きらめき文房具』(KADOKAWA)、『文具に恋して。』(洋泉社)がある。

人物名から記事を探す

公開日順に記事を読む

ページトップ