進化し続けるフリクション

APR 7, 2020

菅 未里 進化し続けるフリクション

APR 7, 2020

菅 未里 進化し続けるフリクション モノを書くことを覚え始めた幼少期からずっと身近にあるペンやノートなどの文房具。いま改めてその世界を覗きこめば、使い心地、デザイン、遊び心やユニークさなど、驚くほど多様なアイテムがあり、進化をとげていることに驚かされます。連載「創造する人に役立つ文房具」では、文具ソムリエール菅未里さんに、数ある文具のなかから「使うことでクリエイティブな気持ちになれるアイテム」をご紹介いただきます。

パイロットの「フリクション」が、消せるボールペンとして話題になったのはもう13年ほど前のことです。気になって買ってみた経験をお持ちの方も多いでしょう。

しかし、その後使わなくなってしまった方も少なくないと思います。当時のフリクションは技術的な理由で通常のボールペンよりもインクが薄かったためです。消せるのは便利だけど、フリクションの色がちょっと......というイメージをお持ちの方も多いと思います。

しかし、そんなフリクションが進化し続けていることをご存知でしょうか?



最新の「フリクションポイントノック04」

パイロットが2019年に送り出した「フリクションポイントノック04」は、最新技術をてんこ盛りにした最先端のフリクションです。

ペン先には「ジュースアップ」シリーズで好評を博した「シナジーチップ」を採用。一般的なボールペンのペン先に使われる「コーンタイプ」と呼ばれるペン先でも、細い針金状の「パイプチップ」でもない、第三のペン先です。とてもなめらかな書き味なのに0.4㎜の細字を鮮明に書けるという(商品名はここに由来します)、恐るべきペン先です。

最新の「フリクションポイントノック04」
そのシナジーチップが押し出すのが、改良を重ねた最新のフリクションインキです。実際に書くと分かりますが、色の濃さはもはや一般的なインキと変わりません。違いは、こすると消えることだけです。

クリップと先端に金属が採用されています。そのおかげでこのペンはビジネスシーンにもよく合う高級感を身にまとっています。
もはや弱点がないように見えるこのペンですが、パイロットもそのことを意識して力を入れたのか、クリップと先端に金属が採用されています。そのおかげでこのペンはビジネスシーンにもよく合う高級感を身にまとっています。とても250円(税別)とは思えません。


気軽に消せるフリクションならば、基本的に消すことができない一般的なボールペンとはまた違う、新しい筆記感覚を楽しめるでしょう。気軽に消せるフリクションならば、基本的に消すことができない一般的なボールペンとはまた違う、新しい筆記感覚を楽しめるでしょう。「間違っても消せるんだ」という安心感は、新しい創造につながるかもしれません。

【ご紹介したアイテム詳細はこちら】
PILOT「フリクションポイントノック04」


※記事の情報は2020年4月7日時点のものです。

  • プロフィール画像 菅 未里

    【PROFILE】

    菅未里(かん・みさと)

    文具ソムリエール。
    文房具販売・仕入れ担当を経て、文房具の専門家として独立。
    国内外で商品や売り場の企画・監修、各種メディア出演、メーカーのコンサルティング、執筆などを行っている。日経MJなど連載多数。

    著書に『私の好きな 文房具の秘密』(エイ出版社)、『仕事を効率化する ビジネス文具』(ポプラ社)、『毎日が楽しくなる きらめき文房具』(KADOKAWA)、『文具に恋して。』(洋泉社)がある。

連載/まとめ記事

注目キーワード

人物名インデックス

最新の記事

公開日順に読む

ページトップ