細かい工夫満載のホッチキス「サクリフラット」

【連載】創造する人に役立つ文房具

菅 未里

細かい工夫満載のホッチキス「サクリフラット」

モノを書くことを覚え始めた幼少期からずっと身近にあるペンやノートなどの文房具。いま改めてその世界を覗き込めば、使い心地、デザイン、遊び心やユニークさなど、多様なアイテムがあり、進化を遂げていることに驚かされます。連載「創造する人に役立つ文房具」では、文具ソムリエール菅未里さんに、数ある文具の中から「使うことでクリエイティブな気持ちになれるアイテム」をご紹介いただきます。

誰もが使うであろう文房具のひとつに、ホッチキス(ホチキス、ステープラーとも呼ばれる)があります。ペーパーレス化が進む現代とはいえ、この1年間、ホッチキスに触れずに過ごした社会人はほとんどいないのではないでしょうか。


あまりにも事務作業に欠かせないため、ほぼすべてのオフィスにはホッチキスが用意されているはずです。だから、逆説的ですが、定番すぎるせいで自分でホッチキスを買ったことがない方も多いと思います。


そんな方は、今のホッチキスがどれほど進化しているかをご存じないかもしれません。




厚みをとらない「フラットクリンチ機構」

今のホッチキスがどれほど便利になっているか、ホッチキスの世界をリードするMAX(マックス)の「サクリフラット」を例に見てみましょう。


厚みをとらない「フラットクリンチ機構」


まず針が違います。一般的なホッチキスの針は、紙をとじると裏側が少し盛り上がるのですが、「サクリフラット」が採用している「フラットクリンチ機構」は、とじた針の裏が真っ平(フラット)になります。


左がフラットクリンチ、右が一般的なホッチキスの針左がフラットクリンチ、右が一般的なホッチキスの針


フラットにしているのは、ホッチキスでとじた書類を重ねたときに、針の膨らみによる余計なスペースをとらないためです。MAXによると25%もスペースを減らせるということですから、書類が多い職場にとっては非常に大きな意味を持ちます。とあるメーカーはホッチキスをフラットクリンチのものに切り替えたところ、4段あった書類の棚が3段にまで減らせたそうです。針によるデッドスペースは非常に大きかったのですね。


もちろん、「サクリフラット」の強みはそれだけではありません。とても持ちやすい、丸みを帯びたコンパクトなデザインや残りの針の量を確認できる小窓、紙の束を挟みやすい斜めカットなど、いたるところに工夫が凝らされています。



針を外すリムーバーには飛散を防止する針おさえが付いていますし、本体には予備の針を100本収納できるポケットも備わっています。使いやすくするための細かい工夫が、この小さなボディーに満載されていることが分かるでしょう。





遊び心がある「シリコンカバーホッチキス」シリーズ


毎日使うホッチキスに遊び心が欲しい方は、やはりMAXから出ている「シリコンカバーホッチキス」シリーズはいかがでしょうか。ホッチキスに動物のシリコンカバーをかぶせたこのシリーズ、職場に癒しを持ち込めるとあって好評のようです。


2021年の12月からは、サメのカバーをかぶった「さめフラット」が数量限定で発売されます。もちろんこちらも「フラットクリンチ機構」を搭載しているので、見た目に似合わず(?)使い勝手は抜群です。


出番が多いだけに、少しの改善が大きな効率化につながるのがホッチキスです。なんとなく職場備え付けのホッチキスを使い続けている方は、ぜひ一度見直してみてください。



【ご紹介したアイテム詳細はこちら】
MAX「サクリフラット」
MAX「さめフラット(限定品)」


※記事の情報は2021年12月7日時点のものです。

※追記:2023年10月11日に再編集しました。

  • プロフィール画像 菅 未里

    【PROFILE】

    菅未里(かん・みさと)

    文具ソムリエール。
    文房具販売・仕入れ担当を経て、文房具の専門家として独立。
    国内外で商品や売り場の企画・監修、各種メディア出演、メーカーのコンサルティング、執筆などを行っている。日経MJなど連載多数。

    著書に『私の好きな 文房具の秘密』(エイ出版社)、『仕事を効率化する ビジネス文具』(ポプラ社)、『毎日が楽しくなる きらめき文房具』(KADOKAWA)、『文具に恋して。』(洋泉社)がある。

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