【連載】創造する人に役立つ文房具
2025.09.02
菅 未里
手軽さと高級感が同居した筆記具「KOKUYO WP」。限定カラーも登場。|菅未里の「創造する人に役立つ文房具」
皆さんはアイデア出しのペンにどのようなものを使っていますか? 最近、キャンパスノートで知られるコクヨの「KOKUYO WP(コクヨダブルピー)」をアイデア出しに使う方が増えているのだとか。「書かれる」側の紙製品を追求したコクヨだからこそわかる「書く」の魅力に迫った逸品をご紹介します。
写真:菅 未里
アイデア出しの相棒にしたい高級筆記具
メールや議事録はパソコンのタイプで済ませる方でも、アイデア出しは手書きという方も多いことでしょう。それは、手から伝わる紙とペンの筆記感がアイデアの源を刺激するからかもしれません。
<KOKUYO WP>Limited Color2025・深緑(しんりょく)
2023年に発売された「KOKUYO WP」は、書き心地とインクの表現にまでこだわった高級筆記具。その「KOKUYO WP」に、限定カラー深緑*1が登場しました。ダークグリーンのインクが付属するシックなペンで、高級感があり、なんだか背筋が伸びる雰囲気です。
*1 限定カラー深緑:通常バージョンはブラックとシルバー。不定期で発売される限定カラーもあるので今後の新作にも注目したい。
付属のダークグリーンのインクで書いたメモ
きらりと輝く口金とリフィルの柄が見える透明なグリップ部分のバランスが美しい
「KOKUYO WP」のリフィルには「ファインライター」と「ローラーボール」があり、限定の深緑には2種類のリフィルが付属しています。(通常タイプは本体1本につき1種類のリフィルが付属します)
特に気になるのは「ファインライター」です。
左がファインライターのリフィル、右がローラーボールのリフィル
「ファインライター」は、一般的なボールペンと異なります。一般的なボールペンはペンの先端にボールがついていて、ボールが回転することによってインクを紙に転写する仕組みですが、ファインライターは樹脂製のペン先に筋が入っていて、毛細管効果*2でインクが染み出てくる仕組みです。
一般的なボールペンとは異なる、するりとした独特の書き心地でWPファンの中でも特に人気があります。
*2 毛細管効果:細い管状物体(毛細管)の内側の液体が、重力など外部からエネルギーに影響を受けず、管の中を上昇したり下降したりする物理現象。
インクの濃淡が文字に表れるので文字の表情が生まれ、ついいろいろなことを書きたくなります。
ローラーボールはシャバシャバとした粘度の低いインクで、さらっとした書き心地。早い筆記にもついてくる感覚があり、湧き出るアイデアを書き留める際に活躍しそうです。
万年筆を思わせる美しいボディも魅力
高級感のあるボディは万年筆のような雰囲気がありますが、リフィル式なのでメンテナンスの手間がなく、手軽さと高級感を同時に手に入れられます。
ボディの半分ほどの長さがあるクリップは、指で押さえると持ちあがるばね式。手帳のペンループにも無理なく挿せます。見た目だけではなく実用性も兼ね備えているのもポイントですね。
胸ポケットに添えるとネクタイピンのようにきらりとアクセントに。使う予定がない日も持ち歩きたい気持ちにさせてくれます。
アイデア出しのスタイルを変えてみる
アイデア出しにラフなカラーペンを使う方もいるでしょう。実は私もそうです。日ごろ愛用しているペンもありますが、高級なアイデア出しの相棒がいると気分が変わります。気分が変わると、また新たなアイデアが生まれるかもしれません。ぜひ試してみてください。
【ご紹介したアイテム詳細はこちら】
コクヨ「<KOKUYO WP>Limited Color2025・深緑」
※記事の情報は2025年9月2日時点のものです。
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【PROFILE】
菅未里(かん・みさと)
文具ソムリエール。
文房具販売・仕入れ担当を経て、文房具の専門家として独立。
国内外で商品や売り場の企画・監修、各種メディア出演、メーカーのコンサルティング、執筆などを行っている。日経MJなど連載多数。
著書に『私の好きな 文房具の秘密』(エイ出版社)、『仕事を効率化する ビジネス文具』(ポプラ社)、『毎日が楽しくなる きらめき文房具』(KADOKAWA)、『文具に恋して。』(洋泉社)がある。
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