【連載】創造する人に役立つ文房具
2019.08.20
菅 未里
創造力は「紙」で高める
幼少期、モノを書くことを覚え始めた頃からずっと身近にあるペンやノート、消しゴムなどの文房具。いま改めてその世界を覗きこめば、使い心地、デザイン、遊び心やユニークさなど、驚くほど多様なアイテムがあり、進化をとげていました。新連載「創造する人に役立つ文房具」はその中でも、使うことでクリエイティブな気持ちになれるようなアイテムを、文具ソムリエール菅未里さんにご紹介いただきます。
パソコンやスマートフォンが浸透した現代でも、クリエイティブな仕事に紙は欠かせません。それは、「書く」という行為が創造性を刺激するからです。手を動かし、紙にアイデアを書きつける過程には、無機質なキーボードを打つのとは異なる刺激があります。
もっとも、私がいまさら言うまでもありません。歴史上の偉大なクリエイターたちは皆、紙を愛してきました。
感触を変えて気分転換
紙の優れている点に、ペンや紙を変えることで筆記感を変えられることがあります。誰でも、仕事に行き詰ったら気分転換をするでしょう。同じように、筆記感を変えれば新しいアイデアが降ってくることも少なくないのです。
ところで、ペンを変えれば筆記感が変わることは皆さんがご存知だと思いますが、忘れてはならないのは、紙を変えることでも筆記感は変えられることです。
非凡な紙使いに定評のある「カミテリア」のメモ「メモテリアカラーズ」(memoterior colors)とふせん「スティッキーメモテリア」(sticky memoterior)は、5種類~10種類もの珍しい紙を組み合わせたメモとふせんです。一冊のメモ(ふせん)の中にたくさんの異なる種類の紙が使われていますから、複数の筆記感を楽しめます。これなら、行き詰ることもないでしょう。
中でもお勧めしたいのは、ゴールド・カッパー・シルバー・クオーツ・チタンと輝く紙を5種類使った「トレジャーチェスト」(treasurechest)です。白ではない紙を使うと、同じペンでも文字がまったく違って見えます。新しいアイデアも湧いてくるに違いありません。こういう紙はインクの乗りが悪いことも少なくないのですが、その点もまったく心配いりません。
筆記感も、色も違えば、今までとはまったく違う「書く」体験を楽しめるでしょう。文房具から、想像力を高めてみませんか?
【ご紹介したアイテム詳細はこちら】
カミテリア「メモテリアカラーズ」
https://shop.delfonics.com/fs/delfonics/701932
カミテリア「トレジャーチェスト」
https://shop.delfonics.com/fs/delfonics/705286
※記事の情報は2019年8月20日時点のものです。
-
【PROFILE】
菅未里(かん・みさと)
文具ソムリエール。
文房具販売・仕入れ担当を経て、文房具の専門家として独立。
国内外で商品や売り場の企画・監修、各種メディア出演、メーカーのコンサルティング、執筆などを行っている。日経MJなど連載多数。
著書に『私の好きな 文房具の秘密』(エイ出版社)、『仕事を効率化する ビジネス文具』(ポプラ社)、『毎日が楽しくなる きらめき文房具』(KADOKAWA)、『文具に恋して。』(洋泉社)がある。
RANKINGよく読まれている記事
- 3
- 大江千里|ニューヨークへのジャズ留学から僕のチャプター2が始まった 大江千里さん ジャズピアニスト〈インタビュー〉
- 4
- 手軽で安いものという価値を転換|「海苔弁いちのや」の高級のり弁 海苔弁いちのや 代表取締役 風間塁さん 総料理長 井熊良仁さん〈インタビュー〉
- 5
- 宮尾俊太郎|20歳の再決意「オレ、バレエをやりたかったんじゃないの?」 宮尾俊太郎さん バレエダンサー・俳優〈インタビュー〉
RELATED ARTICLESこの記事の関連記事
- 思考に後れをとらないノート 菅 未里
- 紙の色を変えて、創造力を刺激する 菅 未里
- 自粛ストレスをやわらげる文房具 菅 未里
- 発想は、字の色で変わる 菅 未里
NEW ARTICLESこのカテゴリの最新記事
- 金原瑞人|「翻訳家」は面白い本を見つけて、その魅力を伝えるプロでもある 金原瑞人さん 翻訳家〈インタビュー〉
- フレキシブルに活躍するロールふせん 菅 未里
- 村木風海|学びは冒険そのもの。いかに大冒険して楽しく生きるか 村木風海さん 化学者、発明家、冒険家、社会起業家〈インタビュー〉