【連載】創造する人に役立つ文房具
2019.11.06
菅 未里
個性的メーカー、マークスの「アイデア用ノート」
幼少期、モノを書くことを覚え始めた頃からずっと身近にあるペンやノート、消しゴムなどの文房具。いま改めてその世界を覗きこめば、使い心地、デザイン、遊び心やユニークさなど、驚くほど多様なアイテムがあり、進化をとげていました。「創造する人に役立つ文房具」はその中でも、使うことでクリエイティブな気持ちになれるようなアイテムを、文具ソムリエール菅未里さんにご紹介いただきます。
PCの画面をノートに再現した
文房具がアイデア出しに欠かせないことは誰もがご存知だと思いますが、個性的な手帳で知られる会社「マークス」のブランド「EDiT」には、その名も「アイデア用ノート」という商品があります。
もともと本の編集制作会社だったマークスは、出自が一般的な文具メーカーと違うためか一味違う雰囲気の商品が多いのですが、この「アイデア用ノート」も、シンプルな商品名からは想像しづらい、個性的なノートです。
「誰もがクリエイティブな発想と思考ができる」というテーマのもとに作られたこのノートですが、その理由はこの形にあります。
横長になっていますよね。これは、PCの画面を意識しているようです。マークスいわく、この形には
・横長である視野にフィットするため、書いたものの全体像をつかみやすい
・PC作業時の思考をスムーズにノートで展開できる
というメリットがあるとのこと。
一つ目のメリットはよくわかりますが、PC作業との併用を前提にした二つ目のメリットはなかなか新鮮です。
また、ふせんつきのモデルが用意されているのもユニークです。このふせんは、ノートに貼ってページ内に小さいスペースを作り、そこで思考を展開するために使うようです。これもまるで、PCのモニターのウィンドウのようですね。
横長の形状には、他にもPCのキーボードの前に置くメモとして使いやすかったり、プレゼンで人にノートを見せる際、タブレットのように可視性が高いなどもメリットもあります。横長だと運びにくいのでは、と心配する方もいらっしゃるかもしれませんが、バンドで止められるので問題ありません。
いずれにせよPCの画面のイメージを紙に落とし込んだ、デジタル時代ならではの文具といえるでしょう。普段はPC作業が多い方のアイデア出しに有効かもしれません。
【ご紹介したアイテム詳細はこちら】
マークス「EDiT」アイデア用ノート
※記事の情報は2019年11月6日時点のものです。
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【PROFILE】
菅未里(かん・みさと)
文具ソムリエール。
文房具販売・仕入れ担当を経て、文房具の専門家として独立。
国内外で商品や売り場の企画・監修、各種メディア出演、メーカーのコンサルティング、執筆などを行っている。日経MJなど連載多数。
著書に『私の好きな 文房具の秘密』(エイ出版社)、『仕事を効率化する ビジネス文具』(ポプラ社)、『毎日が楽しくなる きらめき文房具』(KADOKAWA)、『文具に恋して。』(洋泉社)がある。
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