【連載】創造する人に役立つ文房具

菅 未里

整理が苦手な方へ

モノを書くことを覚え始めた幼少期からずっと身近にあるペンやノートなどの文房具。いま改めてその世界を覗きこめば、使い心地、デザイン、遊び心やユニークさなど、驚くほど多様なアイテムがあり、進化をとげていることに驚かされます。連載「創造する人に役立つ文房具」では、文具ソムリエール菅未里さんに、数ある文具のなかから「使うことでクリエイティブな気持ちになれるアイテム」をご紹介いただきます。

仕事場が整理整頓されていることは、創造性を発揮するための大切な条件です。散らかったデスクや部屋で仕事をしていたら、頭の中も混乱してしまうに違いありません。

ところが、整理することが苦手な方が世の中にはとても多いのです。読者のみなさんの中にも、心当たりがおありの方もいるでしょう。そして、この「ワーカーズボックス」の開発者も、そうでした。

書類を整理するためのワーカーズボックスを開発した、個性的な文房具で知られる「ハイモジモジ」はご夫婦によって運営されています。ところが、デザイナーでもある奥さんがとても整理を苦手とされており、そのことをきっかけに作られたのがワーカーズボックスなのです。つまり、整理できない人の心理をよく分かっている方が作ったということです。

肝心のワーカーズボックスですが、作りは極めてシンプル。厚紙で作られた本のような箱と言えばいいでしょうか。しかし、そのシンプルさこそが使いやすさのポイントです。



案件ごとに、アイテムをすべて入れられる

ワーカーズボックスの使い方はとても簡単です。案件ごとに関係する書類を「すべて」箱の中に入れ、本棚やブックシェルフに収めるだけ。何も考える必要はありませんから、整理が苦手な方でも簡単に使えます。案件名を書けるスペースが表紙・背・底にあるので、どういう置き方をしても中身はひと目でわかるでしょう。

ワーカーズボックスの使い方はとても簡単です。案件名を書けるスペースが表紙・背・底にあるので、どういう置き方をしても中身はひと目でわかるでしょう。

もっとも、書類をまとめるだけなら既存のファイルでもできます。しかしワーカーズボックスの素晴らしい点は、箱状になっているので立体物も入れられることです。

ワーカーズボックスの素晴らしい点は、箱状になっているので立体物も入れられることです。
私の場合、文房具の監修の仕事では常に商品サンプルなどの立体物を扱います。したがって、通常のファイルでは案件に関係するアイテムをひとまとめにすることはできません。他のお仕事をされている方も似たり寄ったりではないでしょうか。

ワーカーズボックスには名刺を収納する場所もありますし、進捗を逐一書き込めるスペースも用意されていますから、関連アイテムをまとめるだけではなく、関係者への連絡や進行管理まで行うことができます。情報までを含めた整理整頓が苦手な方にとっては待ちわびた文房具といえます。

情報までを含めた整理整頓が苦手な方にとっては待ちわびた文房具といえます。

素材となる紙は頑丈なので潰れにくく、サイズも多様ですから仕事のスタイルに合わせて選べます。整理が苦手で物探しに時間をとられがちな方は、ぜひ使ってみてください。

素材となる紙は頑丈なので潰れにくく、サイズも多様ですから仕事のスタイルに合わせて選べます。整理が苦手で物探しに時間をとられがちな方は、ぜひ使ってみてください。
【ご紹介したアイテム詳細はこちら】
ハイモジモジ「ワーカーズボックス」


※記事の情報は2020年3月10日時点のものです。

  • プロフィール画像 菅 未里

    【PROFILE】

    菅未里(かん・みさと)

    文具ソムリエール。
    文房具販売・仕入れ担当を経て、文房具の専門家として独立。
    国内外で商品や売り場の企画・監修、各種メディア出演、メーカーのコンサルティング、執筆などを行っている。日経MJなど連載多数。

    著書に『私の好きな 文房具の秘密』(エイ出版社)、『仕事を効率化する ビジネス文具』(ポプラ社)、『毎日が楽しくなる きらめき文房具』(KADOKAWA)、『文具に恋して。』(洋泉社)がある。

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