【連載】創造する人に役立つ文房具
2021.10.19
菅 未里
取り出しやすい「デテクール」の最新作
モノを書くことを覚え始めた幼少期からずっと身近にあるペンやノートなどの文房具。いま改めてその世界を覗き込めば、使い心地、デザイン、遊び心やユニークさなど、多様なアイテムがあり、進化を遂げていることに驚かされます。連載「創造する人に役立つ文房具」では、文具ソムリエール菅未里さんに、数ある文具の中から「使うことでクリエイティブな気持ちになれるアイテム」をご紹介いただきます。
新型コロナウイルスの影響でにわかに活況を呈しているのが、この連載でも何度かご紹介した収納・持ち運びのための文房具です。在宅勤務が増えて仕事道具を家に持ち帰ったり、家のリビングの机で仕事をするようになった影響ではないでしょうか。
読者のみなさんの中にも、仕事道具を持ち運ぶ機会が増えた方は多いと思います。もちろん今まで使っていたバッグやペンケースでもなんとかなるのですが、持ち運びやすさと仕事スペースでのセッティングのしやすさは、仕事のモチベーションや効率に大きく影響します。収納系の文房具はせいぜい数千円と決して高くありませんから、投資効率は抜群なのではないでしょうか。
そんな中、ヒットした商品がレイメイ藤井の「デテクール」です。これは縦型のペンケースなのですが、何が「出てくーる」のかというと、ペンケースの中身を手前に傾けることができるんですね。だから中の筆記具を取り出しやすいということなんです。在宅勤務で、あるいは会社で、必要なペンをさっと取り出せます。
そのデテクールシリーズですが、他のサイズも欲しいという声が多かったようで、今月、新しい商品が登場します。
文房具+αが収納できる
新作は大きさ違いで3種類あるのですが、今回ご紹介したいのは真ん中の大きさの「デテクールコンボ」です。なぜなら、非常に使いやすいサイズだからです。
この商品には筆記具などの長物を入れるペンケースユニット×1と小物ケースユニット×2の合計3ユニットが用意されており、ペンケースに入れていた筆記具類に加え、在宅勤務で必須のガジェット類の電源やマウス、イヤホンなどの周辺機器も入れられます。小物ケースユニットは2つありますから、目薬やリップクリーム、印鑑なども入りますね。
もちろん「デテクール」シリーズの商品ですから、ペンケースユニットと、小物ケースユニットの1つは取り出しやすいよう手前に傾きます。全体が自立するように設計されているため、仕事場に着き、この「デテクールコンボ」を置けば、そこには効率的なワークスペースが誕生します。自宅、会社はもちろん、カフェや新幹線でも便利そうです。
ワークスペースをデザインできる
しかし「デテクールコンボ」の強みはほかにもあります。ユニットごと取り外すこともできるんですね。ユニットを独立させると、例えばワークスペースの右側にはペンケースユニットを、左側には小物ケースユニットをという風に、効率的な配置が可能です。
さらに、右側に2つある小物ケースユニットの上の方はマジックテープで固定されているため、ビリッと外すこともできるんです。こうすると小物ケースユニットも左のユニット同様にペンケースとして使えますから、筆記具の収納力が倍増します。
つまり、「デテクールコンボ」の魅力はどこにでもワークスペースを出現させられることだけではなく、そのスペースを自在にデザインできる点にもあるといえます。仕事環境を自分に合わせてカスタムできることは、想像力を発揮するための前提ではないでしょうか。
開閉するファスナーに連なったループを持てるようになっているので、持ち運びも簡単。会社にロッカーがある方はロッカーに「デテクールコンボ」を入れておけば、出社後、一瞬でワークスペースが作れます。大きく開けた蓋も背面のマグネットで固定でき、場所を取りません。
モノに自分を合わせるのではなく、自分の環境に合わせてモノをカスタムする。最新の文房具はそこまで進んでいるのです。
【ご紹介したアイテム詳細はこちら】
レイメイ藤井「デテクールコンボ」
※記事の情報は2021年10月19日時点のものです。
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【PROFILE】
菅未里(かん・みさと)
文具ソムリエール。
文房具販売・仕入れ担当を経て、文房具の専門家として独立。
国内外で商品や売り場の企画・監修、各種メディア出演、メーカーのコンサルティング、執筆などを行っている。日経MJなど連載多数。
著書に『私の好きな 文房具の秘密』(エイ出版社)、『仕事を効率化する ビジネス文具』(ポプラ社)、『毎日が楽しくなる きらめき文房具』(KADOKAWA)、『文具に恋して。』(洋泉社)がある。
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