リモートワークを助ける「整理・収納」

【連載】創造する人に役立つ文房具

菅 未里

リモートワークを助ける「整理・収納」

モノを書くことを覚え始めた幼少期からずっと身近にあるペンやノートなどの文房具。いま改めてその世界を覗き込めば、使い心地、デザイン、遊び心やユニークさなど、多様なアイテムがあり、進化を遂げていることに驚かされます。連載「創造する人に役立つ文房具」では、文具ソムリエール菅未里さんに、数ある文具の中から「使うことでクリエイティブな気持ちになれるアイテム」をご紹介いただきます。

リモートワークならではの難しさ

この連載ではたまに整理・収納に関する文房具も紹介しているのですが、最後に整理のための文房具を紹介したのは1年前でした。つまり、新型コロナウイルスが本格的に広がる前の話です。


あれから1年。整理や収納への需要は増したのではないでしょうか。新型コロナウイルスにより、リモートワーク(在宅勤務)が一般化したからです。


家庭で仕事をすることには、職場とはまた違う難しさがあります。職場には仕事道具を整理するスペースがありますが、自宅はあくまで生活の場ですから、収納スペースが限られます。


さらに、家には家族という「大敵」がいます。同僚が勝手に仕事道具を持っていくことは(普通は)ありえませんが、家族は遠慮がありませんから、気づいたら無断で使われていたりすることも。


そんなわけで、リモートワークでは「整理・収納」が意外な落とし穴になるのです。




リモートワーク用の折り畳み収納スタンド

しかし、社会の変化に敏感な文房具業界からは、リモートワークを意識した文房具がたくさん出てきています。今回ご紹介する「ツールスタンド」(キングジム)も、「家庭での快適な生活をサポートする」ことをうたう新しいブランド「SPOT(スポット)」にラインナップされています。コロナ後の新しい生活様式を意識しているのでしょう。


リモートワーク用の折り畳み収納スタンド


この「ツールスタンド」は、一言でいえば、持ち運び可能な折畳み収納スタンドです。2枚の薄い板を組み合わせた形になっていて、底を展開すると二等辺三角形になり自立します。


二等辺を構成する板にはさまざまな大きさのポケットがついていて、仕事に必要な道具を収められるようになっています。「フロア」と「デスク」の大小2種類用意されているのですが、小さい「デスク」の方でも、ほとんどの方の仕事道具は収まるのではないでしょうか。


リモートワーク用の折り畳み収納スタンド


折り畳めば見事にぺたんこになりますから、収納場所に困ることはありません。そしていざ仕事となれば、ぱっと開いてデスクなり床なりにおけば、そこはもう職場です。


ぱっと開いてデスクなり床なりにおけば、そこはもう職場です




底面を有効活用

気が利いているな、と思ったのは、本体を自立させるための底面も収納スペースになっていることです。


本体を自立させるための底面も収納スペースになっている


底面を展開してマジックテープで固定すると本体が自立するのですが、その底面にも、ティッシュボックスが余裕で入るくらいのスペースがあります。私は除菌ウェットティッシュを入れています。この底板が非常にしっかりとしていて、本体は軽いのですが、倒れる気配がないのもいいですね。


リモートワークでは環境整備が各自に任されているだけに、このようなアイテムの有無が大きな差につながるはずです。一度、お仕事の環境を見直してみませんか?



【ご紹介したアイテム詳細はこちら】
キングジム「ツールスタンド」


※記事の情報は2021年2月12日時点のものです。

  • プロフィール画像 菅 未里

    【PROFILE】

    菅未里(かん・みさと)

    文具ソムリエール。
    文房具販売・仕入れ担当を経て、文房具の専門家として独立。
    国内外で商品や売り場の企画・監修、各種メディア出演、メーカーのコンサルティング、執筆などを行っている。日経MJなど連載多数。

    著書に『私の好きな 文房具の秘密』(エイ出版社)、『仕事を効率化する ビジネス文具』(ポプラ社)、『毎日が楽しくなる きらめき文房具』(KADOKAWA)、『文具に恋して。』(洋泉社)がある。

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