アイデアをただちに書き留める、瞬発力があるメモ

【連載】創造する人に役立つ文房具

菅 未里

アイデアをただちに書き留める、瞬発力があるメモ

モノを書くことを覚え始めた幼少期からずっと身近にあるペンやノートなどの文房具。いま改めてその世界を覗き込めば、使い心地、デザイン、遊び心やユニークさなど、多様なアイテムがあり、進化を遂げていることに驚かされます。連載「創造する人に役立つ文房具」では、文具ソムリエール菅未里さんに、数ある文具の中から「使うことでクリエイティブな気持ちになれるアイテム」をご紹介いただきます。

メモする力は社会人の基礎力

メモをとる。クリエイティブな活動の基本となる作業です。頭に浮かんだアイデアが消えないうちに文章にしたり、人から聞いた有益な情報を書き留めたり。


社会人の多くがメモの重要さを上司に教え込まれたと思いますが、それほど大切な行為だということです。


そのメモとりですが、パソコンやスマートフォンに移行した方も多いのではないでしょうか。多くの情報を集約できるデジタル機器の利便性には、紙のメモはかなわないように見えます。


しかし、紙のメモの優位点もあるのです。電池を必要としないことや衝撃に強いこともありますが、私が強調したいのはスピード感です。




瞬発力が必要なメモ

メモが必要なタイミングは突然やってきます。アイデアは時と場所をかまわず降ってきますし、いつ重大な情報に出合えるかも分かりません。


そんなときはスピード勝負です。さっとメモをとらなければいけません。しかし、デジタル機器の特徴として、メモ(のアプリ)の起動に時間がかかることが挙げられます。本体を立ち上げて、アプリを立ち上げて......。しかし、チャンスの女神に後ろ髪はないといいますが、そんなことをしている間にアイデアは消え去ってしまいます。


その点、紙のメモは優秀です。さっと取り出して該当ページを開けば、すぐにメモができるのですから。




極限までスピードを追求したメモ

そんな紙のメモの強みを極限まで追求したのが、株式会社デザインフィルの「パッとメモ」です。


極限までスピードを追求したメモ


先ほど書いたように、メモをとるときには該当ページ、つまり最新のメモ用紙を探し当てる作業が必要になりますが、デザインフィルはその時間まで短縮しようとしたのですね。具体的には、メモの左側側面を糊付けすることで、スピードアップを図りました。


メモを書き終えると、書き終えた紙を裏側にめくりますよね。その際に糊付けがはがれますから、書き終えた紙は1枚1枚、バラバラになります。


どういうことか、ご説明しましょう。メモを書き終えると、書き終えた紙を裏側にめくりますよね。その際に糊付けがはがれますから、書き終えた紙は1枚1枚、バラバラになります。


一方で、これから書くメモ用紙は糊付けされたままですから、1つの束になっているわけです。


一方で、これから書くメモ用紙は糊付けされたままですから、1つの束になっているわけです。つまり、その束の表紙に相当する紙がいつでも最新のメモ用紙というわけです。だから、探す手間がかかりません。


この糊付けですが、昨年(2020年)にマイナーチェンジされ、さらに使いやすくなりました。それまでは左の辺の全面が糊付けされていたのですが、糊付けをしない部分をつくることにより、めくりやすくなったのです。


糊付けをしない部分をつくることにより、めくりやすくなったのです。


ただでさえデジタル機器より速い紙のメモですが、この「パッとメモ」なら、さらにスピードを上げられるでしょう。


なお、メモにはペンも必要なのでペンにも触れておきますが、「パッとメモ」の表紙は頑丈なポリプロピレンですから、ペンのクリップで表紙を挟んでも紙の表紙のようにボロボロになりません。定番の「ジョッター」(パーカー)をくっつけてみましたが、この通り。ぴったりですね。新生活のお供にいかがでしょうか。


「パッとメモ」の表紙は頑丈なポリプロピレンですから、ペンのクリップで表紙を挟んでも紙の表紙のようにボロボロになりません。



【ご紹介したアイテム詳細はこちら】
株式会社デザインフィル「パッとメモ」


※記事の情報は2021年4月15日時点のものです。

  • プロフィール画像 菅 未里

    【PROFILE】

    菅未里(かん・みさと)

    文具ソムリエール。
    文房具販売・仕入れ担当を経て、文房具の専門家として独立。
    国内外で商品や売り場の企画・監修、各種メディア出演、メーカーのコンサルティング、執筆などを行っている。日経MJなど連載多数。

    著書に『私の好きな 文房具の秘密』(エイ出版社)、『仕事を効率化する ビジネス文具』(ポプラ社)、『毎日が楽しくなる きらめき文房具』(KADOKAWA)、『文具に恋して。』(洋泉社)がある。

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