薄着の季節を前に、お腹周りを刺激するストレッチ<代謝アップ編>

MAR 12, 2024

石井正則 薄着の季節を前に、お腹周りを刺激するストレッチ<代謝アップ編>

MAR 12, 2024

石井正則 薄着の季節を前に、お腹周りを刺激するストレッチ<代謝アップ編> JCHO東京新宿メディカルセンター耳鼻咽喉科診療部長の石井正則先生。医学博士であり、ヨガのインストラクターでもある石井先生が提唱するのが、「自律神経のパワーを上げる」「からだを変える」をテーマにした「筋膜プリプリ体操」です。春に向けて薄着になっていく3月は、お腹周りを刺激し、中心から代謝を上げる動きを教えていただきます。

3月の筋膜プリプリ体操「代謝アップ編」

腹部を中心とした動きで代謝を促し、冬の間に油断していたお腹や背中まわりをすっきりさせるための動きを3つ紹介します。「ねじりの前屈」「ひざ立てねじり」「後ろキックねじり」です。行うのは朝昼夜いつでも構いません。無理なくできる人は上級者向けの動きも取り入れながら、より代謝を上げていきましょう。


行う前の注意事項と動画の見方

  • ポーズは「痛きもちいい」くらいのところで止めましょう。無理は禁物です!
  • 1ポーズにつき「20秒キープ」を目安にしていますが、20秒が難しい方はできる範囲で構いません。最初は難しくても徐々にできるようになります。
  • 呼吸がとても大切です。呼吸は止めないように意識しましょう。
  • はじめに各ポーズを、石井先生の解説付き動画を見てやってみましょう。各ポーズの動きを理解して慣れてきたら、記事後半にある通し動画に合わせてやってみてください。




①ねじりの前屈

お腹全体の筋膜が刺激され、胃腸の不調改善に役立ちます。




②ひざ立てねじり

腸がマッサージされ、便秘の改善に効果が期待できます。




③後ろキックねじり

全身を動かして免疫力アップを促す、上級者向けのポーズです。




■「代謝アップ編」通し動画

「ねじりの前屈」「ひざ立てねじり」「後ろキックねじり」の通し動画です。1日5分、続けてみてください。




【おまけ】座った鷲のポーズねじり

花粉症などで鼻づまりがつらい方におまけポーズです。肩から上部の交感神経が刺激され血流がアップすることで、鼻づまり解消効果が期待できます。




筋膜がうるおうとどうなる?

「自律神経が元気になる 30秒筋膜プリプリ体操」(石井正則著、Gakken、2021年)より


自律神経を元気にすればいいことばかり
自律神経は、呼吸や体温調整など生命活動を維持するために働きます。自律神経のバランスが崩れると免疫の低下やからだのだるさ、コリ、冷え、むくみ、睡眠トラブル、便秘や下痢、ほてり、動悸、気持ちが落ち込みやすくなるなど、さまざまな不調を引き起こします。原因は過度の疲労やストレス、睡眠不足、加齢など多岐にわたります。


自律神経が元気になれば、これらの不調を解決するだけでなく、耳鳴りやめまいが楽になったり、生理痛や更年期症状が軽くなったり、うるおいが増して肌が若返ったり、からだが柔らかくなり怪我をしにくくなったりします。



▼下記もご覧ください!
【2月コラム】筋膜を伸ばすとなぜ自律神経が元気になるの?


筋膜がうるおうといいことばかり
筋膜をさまざまな方向に引っ張って伸ばすと、筋膜は刺激を受けてうるおいます。筋膜と筋肉はつながっているので、筋膜が伸びている時は筋肉も使われている状態です。筋肉の中には自律神経や多くの毛細血管が通っているので、交感神経が刺激され、血流やリンパの流れが良くなります。


筋膜プリプリ体操で血液やリンパの流れが良くなり、筋膜がうるおうことで、関節の可動域が広がり、筋膜のうるおいが増していくことで、より一層筋肉の伸び縮みがしやすくなって動作がスムーズになるという好循環を促します。また、筋膜の周りにはたくさん痛みの神経が走っているので、怪我などのトラブルにも気づきやすくなります。また、全身の筋肉がバランスよく使われることになるので、肩や首のコリ、腰痛の改善にも役立ちます。


目や口周りなど、筋膜がないところにも好影響を及ぼす
からだの一部の筋膜が柔軟になり血流が良くなることで、肌に栄養が行き届くようになって、筋膜がない目や口の周りにも好影響を与えます。コラーゲン繊維(肌に水分を保つ)やエラスチン繊維(肌に弾力を与える)の生成が促進されて肌の新陳代謝が正常に戻り、ツヤが良くなる効果が期待できます。



▼下記もご覧ください!
【2月コラム】そもそも筋膜って何?


※記事の情報は2024年3月12日時点のものです。

  • プロフィール画像 石井正則

    【PROFILE】

    石井正則(いしい・まさのり)
    JCHO東京新宿メディカルセンター耳鼻咽喉科診療部長。医学博士。日本耳鼻咽喉科学会代議員、宇宙航空研究開発機構(JAXA)宇宙飛行士医学審査会委員。東京慈恵会医科大学、同大学院卒業後、アメリカのヒューストン・ベイラー医科大学に留学。ヨガインストラクターの資格も持ち、数々のセミナーでも指導。めまい・耳鳴りなどや自律神経系の名医として「世界一受けたい授業」(日本テレビ系)「あさイチ」(NHK総合)などのTV番組、ラジオ、新聞でも活躍。著書は「ストレスマネジメントで めまい・耳鳴り・難聴を自分で治す本」(二見書房)、「自律神経が元気になる 30秒筋膜プリプリ体操」(Gakken)など多数。

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