慣れない新生活でこわばったからだをほぐすストレッチ<肩こり腰痛編>

APR 2, 2024

石井正則 慣れない新生活でこわばったからだをほぐすストレッチ<肩こり腰痛編>

APR 2, 2024

石井正則 慣れない新生活でこわばったからだをほぐすストレッチ<肩こり腰痛編> JCHO東京新宿メディカルセンター耳鼻咽喉科診療部長の石井正則先生。医学博士であり、ヨガのインストラクターでもある石井先生が提唱するのが、「自律神経のパワーを上げる」「からだを変える」をテーマにした「筋膜プリプリ体操」です。寒暖差や、新生活の環境変化によって疲れやすい4月は肩こりや腰痛を緩和する動きを教えていただきます。

4月の筋膜プリプリ体操「肩こり腰痛編」

デスクワークの人のみならず、姿勢の悪い人や立ち仕事の人も肩こりや腰痛には悩まされますよね。肩こりや腰痛を緩和しつつ、より強いからだをつくるための動きを4つ紹介します。「後ろ手前屈」「行かないでポーズ」「考える人のねじり」「後ろタオルねじり」です。行うのは朝昼夜いつでも構いません。5月病など、春に憂鬱になりやすい人は気分のアップダウンで疲れないように、自律神経を鍛えていきましょう。


行う前の注意事項と動画の見方

  • ポーズは「痛きもちいい」くらいのところで止めましょう。無理は禁物です!
  • 1ポーズにつき「20秒キープ」を目安にしていますが、20秒が難しい方はできる範囲で構いません。最初は難しくても徐々にできるようになります。
  • 呼吸がとても大切です。呼吸は止めないように意識しましょう。
  • はじめに各ポーズを、石井先生の解説付き動画を見てやってみましょう。各ポーズの動きを理解して慣れてきたら、記事後半にある通し動画に合わせてやってみてください。




①後ろ手前屈

肩や首まわりの筋膜を緩めるポイントである、頭頂を刺激するポーズです。肩や首のコリ、頭痛に効く動きです。




②行かないでポーズ

腰にある大きな筋肉を使い、血行を良くすることで、腰痛やだるさの改善を促す動きです。




③考える人のねじり

頭と首の境目を刺激することで、目や頭をすっきりさせるポーズです。鼻づまりもすっきりできます。




④後ろタオルねじり

タオルを使ったストレッチです。肩まわりの筋膜をほぐし、肩こり、四十肩、五十肩、猫背などに効果があります。




■「肩こり腰痛編」通し動画

「後ろ手前屈」「行かないでポーズ」「考える人のねじり」「後ろタオルねじり」の通し動画です。1日5分、続けてみてください。




体操と呼吸で自律神経をコントロール!

「自律神経が元気になる 30秒筋膜プリプリ体操」(石井正則著、Gakken、2021年)より


疲れた時こそからだを動かそう
疲労やストレスを感じる時は心拍数を高めたり、血圧を上昇させるような興奮の刺激を全身の器官に伝える交感神経が過剰に働いて、緊張がとれにくい状態になっています。これを解消するためには、その興奮した器官の働きを抑制する副交感神経を高める必要があります。しかし、疲れたからと休んでいるだけでは副交感神経は刺激されず、高めることができません。


交感神経と副交感神経はどちらかだけを優位にするのではなく、どちらもパワフルに働ける状態をつくり、自律神経のトータルパワーを上げる必要があります。


一度、交感神経の働きを活発にしておくことで、その後の休息の効果が上がり、副交感神経の働きが良くなります。疲れたと思った時こそ、緩やかにでもからだを動かすことで、疲労を軽減し、寝つきを良くしてくれます。ハードなスポーツを行う必要はありません。ゆっくり筋膜を伸ばして、筋肉を使うことで血行も良くなり、自律神経の調整を後押しする効果も期待できます。


イライラや不安には吐く息を意識した腹式呼吸を
呼吸は自律神経の働きでコントロールされているので、普段は自然に行うことができています。しかしイライラや不安などで自律神経が乱れていると、呼吸も乱れ、無意識に浅くなってしまいます。自律神経の働きを整えるには、吐く息を意識した腹式呼吸が効果的です。腹式呼吸とはお腹を上下に動かして行う呼吸のこと。お腹の動きがわかりづらい人は、仰向けになっておへその上に手を当てて動きを意識してみましょう。


腹式呼吸に慣れてきたら、吐く息を吸う息の2倍にします。息を吸ってから吐く前に、吸ったのと同じ時間だけ息を止めるのも効果的です。3秒かけて息を吸い、3秒間止め、6秒かけて息を吐くといった具合です。呼吸は自分でコントロールすることもできますので、イライラや不安で呼吸が浅くなっていると感じたらやってみてください。



▼下記もご覧ください!
【3月コラム】自律神経を元気にすればいいことばかり


※記事の情報は2024年4月2日時点のものです。

  • プロフィール画像 石井正則

    【PROFILE】

    石井正則(いしい・まさのり)
    JCHO東京新宿メディカルセンター耳鼻咽喉科診療部長。医学博士。日本耳鼻咽喉科学会代議員、宇宙航空研究開発機構(JAXA)宇宙飛行士医学審査会委員。東京慈恵会医科大学、同大学院卒業後、アメリカのヒューストン・ベイラー医科大学に留学。ヨガインストラクターの資格も持ち、数々のセミナーでも指導。めまい・耳鳴りなどや自律神経系の名医として「世界一受けたい授業」(日本テレビ系)「あさイチ」(NHK総合)などのTV番組、ラジオ、新聞でも活躍。著書は「ストレスマネジメントで めまい・耳鳴り・難聴を自分で治す本」(二見書房)、「自律神経が元気になる 30秒筋膜プリプリ体操」(Gakken)など多数。

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