ビーチバレーボール世界ツアー奮戦記2023|①アメリカ~中国

【連載】世界への挑戦! 坂口由里香のBeach Days

ビーチバレーボール選手:坂口由里香

ビーチバレーボール世界ツアー奮戦記2023|①アメリカ~中国

世界を転戦しながらパリ五輪を目指す、ビーチバレーボール選手 坂口由里香さんの2023年の世界ツアーの様子が届きました。国内ランキング1位*。いま最も注目されているビーチバレーボール選手の一人、坂口選手の奮闘記です。第1回は、アメリカでの強化合宿と、中国で行われたアジア選手権での体験をつづります。*2023年9月現在

まだまだ暑い日々が続いていますね。今年はどの国へ行っても暑いですが、日本に帰ってくると一番暑いかも? と思うぐらい、本当に日本は暑いです......。この記事が出る頃は、また中国に行っているかもしれません。今年は中国をはじめアジアで行われる試合が多いので、アジアな風景をたくさんお届けできると思います。


ビーチバレーボールのプロツアーでは、シーズンが始まる頃に、どこの国のどの試合に出るかを決めるのも、スケジューリングもすべて自分たちで行います。移動に使う飛行機のチケットの手配から、現地で試合がない時はどう過ごすか......ほかの国の選手たちと合同練習をしたり、トレーニングジムへ行ったりの調整も全部自分たちでやります。


今回のその①では、2023年5月に日本選抜メンバーで行ったアメリカ・ロサンゼルス(LA)での合宿と、6月に中国・福建省の福州市で行われたアジア選手権での出来事をレポートします。




アメリカ、LAでの強化合宿:5月末

5月末に、日本選抜メンバーでLAにて強化合宿を行いました。女子メンバーは私たち(坂口由里香・長谷川暁子)と、橋本涼加・村上礼華ペアの4人です。LA合宿中にアメリカで一番大きなビーチバレーボール団体、AVPの国内大会を観戦しました。とてもレベルが高い試合で、勉強になりました。


これは試合会場にあったボールのモニュメント。一般的な世界大会などで使われるビーチバレーボールのボールは、おなじみ日本のボールメーカー、モルテン(molten)かミカサ(MIKASA)のものですが、アメリカではアメリカ国内で使用する場合に限って独自のボール、ウィルソン(Wilson) のボールを使用するんです。


試合会場にあったボールのモニュメント


私もウィルソンのボールで試合をしたことがありますが、少し重いんですね。最初は慣れないせいでやりにくさを感じますが、やればやるほどなじんでくるというか。重い方が手にしっくりきて、弾きにくい感じもします。風の影響を受けづらいというメリットも多少あると思います。逆にアメリカの選手は、世界大会でボールが変わることにやりにくさを感じたりすることもあるかもしれませんね。


それにしても、LA合宿の写真を見返すと、たった2~3カ月前なのにすごく昔のことのように思えます(笑)。本当に毎日が目まぐるしい!


これはレスキュー用に試合会場に停めてあったアメリカの消防車。レトロっぽくてかっこいい車体デザインで、思わず写真を撮ってしまいました。


レスキュー用に試合会場に停めてあったアメリカの消防車


そして、LAに行くと必ずと言っていいほど立ち寄るポキボウル(ハワイ発祥。切り身の魚をメインに、野菜などが入ったヘルシーなどんぶり)のお店「ジャス・ポキ(Jus' Poke)」でランチ。とてもおいしいし日本人にも合う味付けなのでおすすめです。これで1,500円ぐらい。ただ私はワサビが苦手なのでワサビ抜きにしたのですが、ワサビ入りを頼む場合はワサビの量に注意が必要です! めちゃくちゃな量が入っているそうで、一緒に行ったメンバーが涙目になっていました(笑)。


ポキボウル




アジアの立ちはだかる壁、中国:6月20日~27日

6月の後半は、中国の南東にある、福州市で行われたアジア選手権に出場しました。結果は中国チームに敗れ9位でした。大会は23日から26日まででしたが、24日に負けたので、帰国までは練習をしたり試合を観に行ったりして過ごしました。


中国はインドアのバレーボールも強いですが、ビーチバレーボールでも強豪国です。東京五輪でのアジア枠も中国でした。身長も180cmオーバーの選手がそろっていて、高さがあるので、その点では日本チームは不利です。ただ、スピードや技術力では、日本の方が上だと思うので、前後左右の低い動きで相手を揺さぶって疲れさせるなど、しっかりと準備して次は何としても勝ちたいです。9月にアジア大会が同じ中国であるので、優勝を狙っていきます。


下の写真の、左はホテルのビュッフェに出ていた「竜眼(りゅうがん)」というフルーツ。ライチに近い種類のフルーツだそうですが、ライチよりも小ぶりで、2cmぐらいの大きさです。味はほぼライチで、おいしかったです。疲労回復にいいと聞いて、毎朝たくさん食べていたら、栄養がありすぎて一度にたくさん食べすぎるとよくない、と現地の人に言われて焦りました。結局、何ともなかったのですが、炎症を起こすと悪化する場合もあるようです。


写真右は黒糖入りのタピオカミルクティー。日本ではあまり飲まないけど、海外に行くとあまりハズレがないのでよく飲みます。ホテルなどで出てくるスイーツは甘すぎるんですよね。紅茶はどこの国で飲んでも安心です。


左はホテルのビュッフェに出ていた「竜眼(りゅうがん)」というフルーツ。右は黒糖入りのタピオカミルクティー


※記事の情報は2023年9月12日時点のものです。


へ続く

  • プロフィール画像 ビーチバレーボール選手:坂口由里香

    【PROFILE】

    坂口由里香(さかぐち・ゆりか)
    小学3年生からインドアのバレーボールを始め、中学3年生で神奈川県代表選手に選出。高校3年生で神奈川県ベスト4入り、ビーチバレーはマドンナカップの神奈川県予選で優勝、全国大会で5位入賞。その後、2014年国内ツアー入賞をきっかけに本格的にビーチで活動、2018シーズンはビーチバレージャパンで決勝進出、2021年の国内ツアーでは優勝3回、準優勝1回、3位1回、2022年は開幕戦から国内で出場した大会は全て優勝し、9月の女子アジア選手権では5位入賞、10月のBeach Pro Tour モルディブ大会でも5位入賞した。勝負強さ、安定したパス、攻撃のバリエーションで、次代を担っていくプレーヤーとして注目される。
    2019年 FIVB World Tour 1star インド大会2位
    2019年 FIVB World Tour 1star ハンガリー大会1位
    2020年 FIVB World Tour 1star グアム大会1位
    2021年 ジャパンツアー平塚大会 優勝
    2021年 松山大会 優勝
    2021年 ファイナル大阪大会優勝
    2021年 名古屋大会準優勝
    2022年 立川立飛大会優勝
        大洗大会優勝
        平塚大会優勝
        松山大会優勝
        全日本女子選手権大会優勝
        Beach Pro Tour モルディブ大会 5位入賞
    2022年 7月 個人ランキング1位、10月 個人ランキング3位

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