坂口由里香のBeach Days
2023.09.19
ビーチバレーボール選手:坂口由里香
ビーチバレーボール世界ツアー奮戦記2023|②ポルトガル~カナダ~台湾
国内ランキング1位*のビーチバレーボール選手 坂口由里香さんが、2023年の世界ツアーの様子をお届けする連載。第2回は、ポルトガル、カナダでのプロツアーと、台湾で行われたアジアツアーでの出来事をつづります。*2023年9月現在
世界ツアー奮戦記 その②では、7月から8月にかけて行ったポルトガル、カナダ、台湾での出来事をレポートします。
ポルトガルで再会:7月9日~16日
ポルトガルの海岸沿いにあるエスピーニョという都市で行われたプロツアーです。初日に負けてしまったので、終わるのが早かったです......。対戦相手はビーチバレーボールの強豪国ドイツのチーム。フルセットで負けてしまい、かなり落ち込みました。
海外で敗戦が続いたりすると、気持ちを持ち直すのが大変で。試合中に、前回負けた時にうまくできなかったプレーの記憶がフラッシュバックすることがあって、結果、その通りになって同じ失敗をすることがあります。いいイメージが持てなくなってくるんですよね。こういう時は日本でひたすら練習するしかないんですけど、海外ツアー先で負けが続くと逃げ場がなくなっちゃうというか。
ちょっと煮詰まってしまうので、パートナーやコーチだけじゃなくて、ほかの日本チームのメンバーとご飯を食べに行ったり、現地のものを見に行ったりしてリフレッシュするようにしています。
いいイメージを持てない、できないことにフォーカスしてしまうのは日本人選手の特徴でもあるかもしれません。ネガティブになりすぎちゃう、真面目だから考えすぎてしまうというか。負けると下を向く感じ。その点、ほかの国の選手はポジティブで楽観的に見えます。前向きなんですよね。できないことより、できることをやればいい、伸ばせばいい、という考え方。切り替えがすごく上手です。
でも、現在のパートナーの暁さん(長谷川暁子選手)は、楽観的で前向きなタイプだからありがたいですね。それで救われている部分もあると思います。
エスピーニョはサーフィンでも有名な場所だったようで、海外の男子選手は負けて試合が終わってしまってもサーフィンを楽しんでいました。そういうメンタルも見習いたいです(笑)。日本人選手は落ち込んで次の試合に備えなきゃ......ってなりがちなんですよね。
ところで、この2人を覚えていますか? 昨年の奮戦記にも登場したフランスチームの2人と再会しました。脚が長い2人です(笑)。写真左がレザナ・プラセッテ(Lezana Placette)選手、右から2番目がアレクシア・リチャード(Alexia Richard)選手です。今回のポルトガルでも一緒に練習しました。
レストランでの食事。大きい鍋にスープがどんと出てきて、じゃがいもの料理が多いです。スープにはパスタやお米が入っている時もあります。ポルトガルは日本と同じで、シーフードが新鮮でおいしいです。タコやイカの料理が人気。
左はポルトガルのジェラート。ヨーロッパのジェラートはおいしいので、来ると大体食べています。外が明るいですがこれで20時ぐらい。22時になってもまだ明るいから子どもたちが遊んでいたりします。みんな寝不足にならないのでしょうか......。右は日本料理屋さんで食べたお寿司。ネタが新鮮なので、日本で食べるようなお寿司でおいしかったです。
疲れていたので、めちゃくちゃ甘いものが食べたくなって、ワッフルを頼んだらすごいのがきた時の写真も。さすがに甘すぎ&量が多すぎて食べきれなかったです(笑)。
29歳の誕生日はカナダで:7月17日~23日
続いては、カナダの中西部にあるエドモントンという都市で行われたプロツアーです。残念ながらカナダでも初日に負けてしまって、残りの日程は練習したり、ジムでトレーニングをしたりしていました。負けが続いていたのでモヤモヤしながらも、29歳の誕生日はカナダで迎えました。
ケーキを食べようってことで、カナダのケーキ屋さんへ。ハンバーガー形のケーキがあったりして、かなり個性的なケーキ屋さんでした。ほかのケーキも大きい。迷った末にブルーベリーがたくさんのったフルーツタルトで祝っていただきました。20代最後の年、がんばります!
これはトレーニングで利用したジムです。すごく立派なジム!
日本で修業した店長さんが経営しているラーメン店で、みそラーメンを食べました。日本人の留学生が店員さんにいて、この街に日本人が来るのは珍しいと言われました。こうやって振り返るとちょくちょく日本食を挟んでいますね。海外滞在が続くとやっぱり食べたくなるんですよね。
決勝戦は日本チーム対決! の台湾:8月14日~21日
8月はアジアツアーで台湾の澎湖(ポンフー)へ。澎湖諸島という離島にあって、国内線で移動します。日本でいう沖縄みたいなリゾート地です。
アジアツアーの決勝戦は石井美樹・溝江明香ペアとの日本チーム対決でしたが、負けてしまい準優勝でした。3位はオーストラリアのチームです。
下の写真、左は試合終わりでタイの選手たちと。2人とも16歳! 右はフィリピンやほかのアジアの国の子たちと一緒に。みんな若いんですよね。若手選手の育成に力を入れているんだな、というのを肌で感じました。
アジアツアーでは毎食ご飯がホテルビュッフェです。ランチに食べた、タロイモマン(ちょっと甘い)が添えてあるプレート。汁なし麺が主流です。
そういえば、アジア以外のプロツアーでは、勝たないと食事は自力で食べに行かないといけないんですよ。予選で勝って、本選にいくと朝昼晩の食事が付きますが、負けた翌日から食事もないし、ホテルもチェックアウトさせられます。勝てば勝つほど、無料で長く滞在できて、ご飯も食べられるという......勝負に厳しい分かりやすいシステムです(笑)。アジアでの大会は、滞在期間中のご飯がセットになっています。勝ち負けに関係なく、ずっと提供してもらえます。
セブンイレブンへ行ったら日本のお菓子がいっぱい売っています。ちょっと見慣れた光景ですよね。
台湾はかき氷が有名。いろいろトッピングを選べますが、よく分からなかったので適当に選んだら微妙な味になってしまいました。あずきはおいしい!
そして、下の写真の右側に写っているのが、今回から同行してくれている、データアナリストの徳田和希さんです。試合の経過をパソコンに入れて、データ分析してくれます。日本バレーボール協会の新しい取り組みの一環ですね。 ビーチバレーボールでデータアナリストを起用している国はいくつかあるんですが、アジアでは日本が初です。
以上、8月までの世界ツアーレポートでした。この後は、日本に戻って日本の大会に出場して、9月はいよいよ中国で行われるアジア大会です。この記事が出る頃でしょうか。がんばりますので、応援よろしくお願いします!
※記事の情報は2023年9月19日時点のものです。
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【PROFILE】
坂口由里香(さかぐち・ゆりか)
小学3年生からインドアのバレーボールを始め、中学3年生で神奈川県代表選手に選出。高校3年生で神奈川県ベスト4入り、ビーチバレーはマドンナカップの神奈川県予選で優勝、全国大会で5位入賞。その後、2014年国内ツアー入賞をきっかけに本格的にビーチで活動、2018シーズンはビーチバレージャパンで決勝進出、2021年の国内ツアーでは優勝3回、準優勝1回、3位1回、2022年は開幕戦から国内で出場した大会は全て優勝し、9月の女子アジア選手権では5位入賞、10月のBeach Pro Tour モルディブ大会でも5位入賞した。勝負強さ、安定したパス、攻撃のバリエーションで、次代を担っていくプレーヤーとして注目される。
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