《まとめ》人生100年時代、「生き甲斐」を創る

APR 28, 2020

小田かなえ 《まとめ》人生100年時代、「生き甲斐」を創る

APR 28, 2020

小田かなえ 《まとめ》人生100年時代、「生き甲斐」を創る 読むとほのぼの和やかなに気持ちになる、と人気の小田かなえさんのエッセイです。少子高齢社会となった日本で、共同体の最小単位『家族』はどこへ向かうのか。人生100年時代に、「すべてのお年寄りに笑顔を」と願う60代の著者が超高齢の母との生活を綴ります。

公民館に生まれた小さな国際交流

公民館に生まれた小さな国際交流

FEB 20, 2019 母60歳、つぎつぎと習い事をはじめる。
我が家には現在94歳の母がいる。親知らず以外の歯がすべて揃っていて、ステーキでもスルメでも堅焼き煎餅でも食べる母である。「80歳まで20本の歯を残そう」という8020運動を軽くクリアしているため、献立を考えるのがラクで良い。
「何でもやってみる」人たち

「何でもやってみる」人たち

MAR 26, 2019 黒豆をピシャリ!と投げるハイカラ婆さん
大晦日に泣くほど怖いものを見てしまった。お正月の仕度で修羅場と化した台所でおせち料理を作っている母である。ピシャリ!ピシャリ!......コトコト湯気の上がる鍋に菜箸を突っ込み、指先で何かをつまんではクルリと振り向いて、食器棚のガラス扉めがけてソレを投げつける母。
人と人がつながって伝わる、懐かしの「味」

人と人がつながって伝わる、懐かしの「味」

MAY 14, 2019 アジの開きは骨まで美味しく食べましょう。
つい先日、知り合って間もない友人たちと旅行したときのこと。朝食に定番のアジの干物が出てきた。そのアジを美味しくいただいてふと目をあげたら、私の顔と手元のお皿を、友だち三人の視線が行ったり来たりしている。
30年前、母娘で共有した趣味と友達

30年前、母娘で共有した趣味と友達

JUL 2, 2019 老いた母が好きな猫と、山と、杖?
数日前のこと。母が自分の部屋で四つん這いになり、うなだれていた。両膝を揃えて床につけ、両腕を伸ばして手のひらも床に置き、ガックリと頭を下げている。落ち込んだ人の姿を表す顔文字そのものだ。何かショッキングなことでもあったのだろうか。
高齢者でも楽しめるバリアフリーな珍道中

高齢者でも楽しめるバリアフリーな珍道中

SEP 3, 2019 箱根でバッタリ、運命の出会い!?
母も亡き祖母も旅行好きで、私自身も子どもの頃からいろいろなところへ連れて行ってもらった。なかでも箱根は夏休みの定番だった。祖父母と母、そして私の4人で、馴染みの宿に1週間ぐらい滞在する。毎年欠かさぬ恒例行事で、旅行中の会話まで前の夏と同じになってしまう。
超高齢者だって音楽を聴きたいに決まってる。

超高齢者だって音楽を聴きたいに決まってる。

NOV 6, 2019 オーディオが、ご近所付き合いに一役買った
30年も前のことだが、私は母の公民館仲間に頼まれ、手持ちのレコードから曲を選んでカセットテープにダビングすることがあった。アルバムを丸ごと入れるのではなく、彼女たちが語るイメージに合わせたオーダーメイドである。
老後を楽しく心地良く! 秘訣は小さなお洒落心

老後を楽しく心地良く! 秘訣は小さなお洒落心

DEC 3, 2019 母、逆さ言霊にやられる
言葉にはチカラが宿っているので、良いことを口にすれば願いが叶うけれど、ネガティブなことを喋るのは縁起が悪い。それだけではなく逆さ言霊というものもあり、うっかり「自分は胃腸が強い」などと自慢しようものなら、天罰のごとく数日内にお腹を下したり胃が痛くなったりするのだ。
ルーティンは楽しい

ルーティンは楽しい

FEB 5, 2020 自然発生する理由なき習慣
ルーティンは日課や習慣化を意味する言葉。「ルーティンワークをこなす」というような使いかたをするため、なんとなく業務上のノルマ感が漂うが、実は日常生活のあらゆる場面に個人的かつ独自のルーティンが存在する。
オーバー90女子の『恋バナ』はいかが?

オーバー90女子の『恋バナ』はいかが?

MAR 24, 2020 タマコさんの大恋愛
お正月明けのある日、母の部屋で電話が鳴った。電話が鳴ると私は一応、聞き耳を立てる。母専用の固定電話にかけてくる相手は、限られた友人と親戚だけ。たまにセールスもある。それは本人が、毅然と......ではなく高齢を武器にヘラヘラと断っている。
「大正生まれ女子」も熱中したグルメとレジャー

「大正生まれ女子」も熱中したグルメとレジャー

MAR 24, 2020 戦前の丸の内OLは......
OLという言葉はBG(ビジネスガール)に代わる呼び名として1963年に女性週刊誌が公募し、読者投票で26000件以上の中から選ばれた造語である。その後、大企業が集まった丸の内に勤務する女性社員、いわゆる「丸の内OL」は、さまざまな流行をいちはやく取り入れて人生を謳歌するカッコいい女性たちの代名詞となっていった。
珍客万来、愉快な高齢コミュニティー!

珍客万来、愉快な高齢コミュニティー!

AUG 4, 2020 「センセーいる?」102歳の女性患者来襲
あれは去年の秋のこと。私が自室で昼寝をしていたら、とつぜん階下が騒がしくなった。母の大声と、もうひとり誰かの声がする。何事かと飛び起きて階段に向かうと、廊下を見知らぬお婆さんが歩き回っていた。今どき珍しく真っ白な割烹着姿で、手には頑丈そうな杖。その後ろにはオロオロしながら手を差し出し、追いかける母がいる。
人生が100年になり、高齢者の言葉遣いも変化した!?

人生が100年になり、高齢者の言葉遣いも変化した!?

SEP 4, 2020 「最近はアベックなんて言わないでしょ」
私はほとんどテレビを観ないが、母はキッチンで食事をするとき必ずニュースかワイドショーをつける。先日、東京・巣鴨の地蔵通り商店街を歩くご夫婦のインタビューを観ている母に、私は番組とは無関係な質問を投げかけてみた。
老後の幸せは十人十色、何が快適か決めるのは自分!

老後の幸せは十人十色、何が快適か決めるのは自分!

NOV 5, 2020 100年前のアルバムと「二百三高地」
母の部屋にある写真類を食器棚の引き出しに移動した。なぜ食器棚? と思われるだろうが、単にみんなで見られるようにである。「みんな」と言っても同居の息子が見たがるわけもなく、母と私がときどき出して眺めるだけだが。
手紙と宅配便は、高齢社会の笑顔をつなぐ!

手紙と宅配便は、高齢社会の笑顔をつなぐ!

DEC 9, 2020 異国から届く恋文、届かぬ現金
英国植民地時代の香港を舞台に描かれた「慕情」という映画をご存知だろうか? 軍人の夫を亡くした女医さんと、アメリカ人新聞記者のラブストーリーである。映画の内容より主題歌のほうが有名かもしれない。オペラの「蝶々夫人」に似た出だしの曲......と申し上げれば「ああ、アレね」と分かる方も多いはず。
お年寄りは変化に弱い? それとも強い?

お年寄りは変化に弱い? それとも強い?

APR 6, 2021 体調と嗜好の切っても切れない関係
数年前に母が救急搬送されたことがある。病名は胃潰瘍。出血が多くて貧血になり、輸血と内視鏡手術のため5日間ほど入院した。これはそのときの話。
ヒトの心は幾つになっても成長する!

ヒトの心は幾つになっても成長する!

AUG 17, 2021 亀の甲より年の功
「亀の甲より年の功」ということわざを、私は単なる「お婆ちゃんの知恵袋」的にとらえていた。
終の棲家で最後の友達探し!

終の棲家で最後の友達探し!

OCT 05, 2021 介護デビューは手すりのレンタルから?
連載スタート時には94歳だった母も、間もなく97歳を迎える。人生100年時代、それは確かな事実になりつつあるけれど、50歳や60歳のときと同じ状態で100歳を迎えるわけではない。
すべての年齢の人たちがキラキラ輝く社会へ

すべての年齢の人たちがキラキラ輝く社会へ

MAR 15, 2022 施設入居の後始末&立ち話
老母が介護施設に入居して約半年、近所の高齢者が減ってきた。いや、亡くなったわけではない。まるで示し合わせたかの如く、バタバタと介護施設に移ったのである。理由はみんな同じで、老親を家より安全な場所に置きたいから。
あっちにもこっちにも遊び盛りの先輩たち!

あっちにもこっちにも遊び盛りの先輩たち!

MAY 17, 2022 ネコと語り合う縁側も居心地は良いけれど
はじめに...... 今これを読んでくださっているアナタはお幾つ? 20代? 30代? もし40代だったら既に「初老」を過ぎているということ。なぜなら「還暦(かんれき)」や「古希(こき)」といった長寿祝いの節目で最初に迎えるのが40歳の「初老」だから。
デジタル化とご長寿の相性はよろしいようで

デジタル化とご長寿の相性はよろしいようで

AUG 17, 2022 パソコンとインターネットの思い出あれこれ
私には90代男性の友達がいた。年長者に対して「友達」などと言っては失礼なのだが、何人かで食事をご一緒する際には、世の中の出来事からご自身の恋愛遍歴まで偉ぶることなく語り、楽しませてくださる。
皆さんに問う!「あなたはお化粧をしていますか? 」

皆さんに問う!「あなたはお化粧をしていますか? 」

OCT 25, 2022 男性と化粧の歴史、そしてクレオパトラ
今回はメイクのお話......と書くと「自分には関係ない」なんて思う殿方が多いかも。しかし大手化粧品会社が20~30代の男性会社員にアンケート調査を行ったところ、85%強が「メイクに興味あり」と答えたそうだ。
65年生きてみた。思考は変われど、嗜好は変わらず

65年生きてみた。思考は変われど、嗜好は変わらず

MAR 7, 2023 クラシックロック世代の音楽療法
少し前のことだが、神奈川県内の高齢者施設で英国ロックバンド「レッド・ツェッペリン」の爆音上映会が開かれたという記事を読んだ。写真を見ると、皆さん拳を突き上げ楽しそう。私のまわりにはロック好きが多いため、みんな「これで老後も安心だ」と口々に言っていた。
日本に

日本に"アラひゃく"の時代がやってきた!

MAY 9, 2023 さて、冒頭からクイズです。
"アラひゃく"という言葉が使われるようになった現代日本。正しく表すと「高齢化社会」「高齢社会」「超高齢社会」のどれでしょう?
時間上手になってオトナの今をたっぷり楽しむ!

時間上手になってオトナの今をたっぷり楽しむ!

JUL 4, 2023 あの頃は1日が長かった......
「最近なんだか季節の変化についていけないのよねぇ」「うんうん、去年のクリスマスシーズンにダウンジャケットを出したと思ったらすぐに桜便りで、久しぶりにお花見したのはいいけど、その余韻に浸る間もなく紫陽花が咲いて、もう夏になった感じ!」
言霊の威力

言霊の威力

NOV 7, 2023 各人各様に"こだわり"のある外食事情
何歳になっても苦手なこと、出来ないことがありまして......。つい最近まで私はひとりでラーメン屋さんに入れなかった。いや、牛丼屋さんにも赤ちょうちんにも入れないのだが、それはべつに困らない。外出先で「どうしても牛丼が食べたい」「どうしてもチューハイを1杯ひっかけたい」と切望することはないから。
人生100年なら恋は何年?

人生100年なら恋は何年?

FEB 13, 2024 71歳で伴侶に巡り逢った女性
今から30年以上前のある日、「聞いて聞いて、71歳の叔母さんが結婚したのよ!」友人がテンションMAXで電話してきた。彼女の叔母さんは一度も結婚せず仕事一筋で、70歳のときに自宅を売却して老人ホームへお引っ越し。そこで運命の出会いを遂げたそうだ。お相手の男性は同い年で奥様に先立たれた方。
  • プロフィール画像 小田かなえ

    【PROFILE】

    小田かなえ(おだ・かなえ)

    日本作家クラブ会員、コピーライター、大衆小説家。1957年生まれ、東京都出身・埼玉県在住。高校時代に遠縁の寺との縁談が持ち上がり、結婚を先延ばしにすべく仏教系の大学へ進学。在学中に嫁入り話が立ち消えたので、卒業後は某大手広告会社に勤務。25歳でフリーランスとなりバブルに乗るがすぐにバブル崩壊、それでもしぶとく公共広告、アパレル、美容、食品、オーディオ、観光等々のキャッチコピーやウェブマガジンまで節操なしに幅広く書き続け、娯楽小説にも手を染めながら、絶滅危惧種のフリーランスとして活動中。「隠し子さんと芸者衆―稲荷通り商店街の昭和―」ほか、ジャンルも形式も問わぬ雑多な書き物で皆様に“笑い”を提供しています。

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